申請から決済までオンラインで。東京都下水道局が取り組む「指定排水設備工事事業者の指定更新」のオンライン化
国内事例

申請から決済までオンラインで。東京都下水道局が取り組む「指定排水設備工事事業者の指定更新」のオンライン化

2023.04.12 Wed

東京都下水道局では、指定排水設備工事事業者が5年に1度行う指定更新の手続きに、オンライン申請を導入。「Graffer 手続きガイド」および「Graffer スマート申請」にて、申請から決済までの手続きを、オンラインで完結できる仕組みを用意しました。

事業者が指定更新の手続きをオンラインで完結できる仕組みを用意

——「指定排水設備工事事業者の指定更新に関するオンライン申請」はどのような仕組みでしょうか。

堺:「指定排水設備工事の事業者指定更新のオンライン申請」は、指定排水設備工事事業者が指定更新を行う際の手続きをインターネットで行える仕組みです。2021年度からオンライン化しており、2022年度からはキャッシュレス決済も追加導入し、申請から決済まですべての手続きがオンラインで完結できるようになりました。

事業者は、窓口に行くことなく、指定更新のための申請をパソコンから行うことができる。申請を開始する前に簡単な質問に回答すると、自分に必要な手続きが分かるような工夫も取り入れられている。

——オンライン申請を導入する前は、どのように申請を受け付けていましたか。

堺:以前は、すべての申請を期間限定の臨時窓口で受け付けていました。その後、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、窓口の混雑を避けるために、郵送申請とオンライン申請を導入しました。

以前は窓口のみで受け付けていた手続きを、段階的にオンライン化していった。

オンライン化によって約35時間の業務を削減

——オンライン化によって、どのような効果がありましたか。

堺:オンライン申請を導入したことによって、約35時間の業務削減につながりました。例えば、1件あたり約10分かかっていた支払票の印刷・送付や、1件あたり約5分かかっていた入金確認に関する業務は、オンラインで受け付けた申請については必要なくなりました。

堺:この業務削減に大きく寄与したのが、キャッシュレス決済です。キャッシュレス決済を導入する前年は、まずは申請の受け付け部分のみをオンライン化したため、事務の面での大幅な業務削減につなげ切れていませんでした。しかし、キャッシュレス決済を追加導入したことによって、申請の後に発生する更新費用に関わる業務がなくなり、業務が大きく効率化しました。

下水道局 施設管理部排水設備課指定事業者担当 課長代理 堺 真吾氏

——決済が発生する手続きでは、申請から決済まで一貫してオンライン化することによって、業務改善に結びつきやすくなるということですね。他にはどのようなメリットがありましたか。

堺:職員がテレワークしやすい環境作りにもつながりました。オンラインで受け付けた申請については、紙で受け付けたものと異なり、申請内容の確認をパソコンで行うことができます。場所を選ばずにいつでもどこでも対応できるようになったのは、大きな変化です。

事業者からは「書面での申請より、電子申請のほうが楽」などの反応

——オンラインで手続きを行った事業者からはどのような反応がありましたか。

堺:事業者からは、「書面での申請より、電子申請のほうが楽だった」、「引き続きオンラインでの申請をお願いしたい」などの反応がありました。事業者は、パソコンでの操作に慣れている方も比較的多く、おおむね良好な評価につながったのではないかと考えています。

オンライン申請を利用した事業者から、ポジティブな反応が届いた。

——事業者が手続きのために移動することなく、数十分で手続きできるようになったのは、大きな変化ですね。

堺:個人で事業をされている方もいらっしゃるので、夜間など、好きな時間に申請できるようになった点をメリットに感じていただいているのではないかと思います。郵送での申請と比較しても、書類を印刷・封入・送付する手間がないため、より短時間で対応できているようです。

——オンライン申請を利用した事業者から、利用方法に関する問い合わせはありましたか。

堺:利用方法に関する問い合わせはほとんどありませんでした。「非常に分かりやすいシステムだった」などの反応もいただいているため、簡単に操作できたのではないかと考えています。

——事業者に対しては、どのように案内を行ったのでしょうか。

堺:事業者への案内については、更新のタイミングで送付する書面で行いました。URLや二次元コードを分かりやすく記載することによって、手間無く申請できるように工夫しました。

——オンライン申請はどのくらい利用されていますか。

守谷:オンライン申請の利用率は、昨年度は35%、本年度は23%でした。少し減少している背景としては、オンライン決済の有無が大きく影響しているのではないかと考えています。事業者の場合、法人のクレジットカードを所有していないこともあるため、そのようなケースでは、郵送での手続きを選択しているのではないかと思います。

(※)2023年5月現在、「Graffer スマート申請」は新たにペイジーに対応しました。

下水道局施設管理部排水設備課指定事業者担当 主任 守谷 陽介氏

今後はさらに利便性の高いシステムを目指して改善を進めていく

——今後はどのようなことに取り組む予定ですか。

守谷:今後は、事業者からの声をもとに、オンライン申請をさらに使いやすくしていきたいと考えています。事業者にとっては5年に1度の手続きのため、継続的に、より分かりやすい仕組みを提供していきたいと思います。

堺:オンライン化率の向上にも取り組んでいきます。また「Graffer スマート申請」の交付物機能を活用することによって、更新完了時の交付物についてもオンラインでの交付を検討するなど、事業者の利便性向上と職員の業務負荷軽減を進めていきたいと考えています。


取材・写真:佐竹 佳穂 / 取材・文:東 真希(Govtech Trends編集部)
(※文中の敬称略。撮影時のみマスクを外しています。所属や氏名、インタビュー内容は取材当時のものです。)

東京都下水道局が取り組む、「指定排水設備工事事業者の指定更新」のオンライン化は「Graffer 手続きガイド」および「Graffer スマート申請」によって実現できます。複雑なプログラミングや手続きは必要ありません。情報の追加や変更も追加費用なしで分かりやすく設定することができます。費用や導入期間などについては、無料お問い合わせからお気軽にお問い合わせください。

グラファー Govtech Trends編集部

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