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2022.01.20 Thu

消防に関する届け出のオンライン化を進める佐世保市「急な出動の場合に受け付けが困難」を解決

DX推進室が中心となって、全庁的なオンライン化を進める長崎県佐世保市。オンライン化を進める多くの手続きの中の一つが「火災とまぎらわしい行為の届出」や「防火対象物使用開始届出」といった、消防に関する法令の届け出です。消防署・出張所への届け出が必要な届け出書について、どのようにオンライン化を進めたのでしょうか。

長崎県佐世保市:243,223人(令和2年国勢調査)

消防に関する届け出のオンライン化を進める佐世保市「急な出動の場合に受け付けが困難」を解決

「急な出動の場合に受け付けが困難」消防局ならではの課題があった

——消防局において、オンライン申請の導入を検討したきっかけは何だったのでしょうか。

平:きっかけの一つは、新型コロナウイルス感染症による影響を背景に、対面を避ける手段としてデジタル化が強く求められていたことでした。非対面による手段を用意することによって、市民や事業者が、より安心して届け出できる環境を整えたいと考えました。

——オンライン申請の導入前は、窓口で届け出を受け付けていたのでしょうか。

平:オンライン申請を導入する以前は、消防署・出張所の窓口、または郵送で届け出を受け付けていました。しかし、消防署においては業務の特性上、出動の際に出払ってしまうために窓口での対応が困難な場合もあります。このような際、利用者に不便をかけてしまうことが課題だと感じていました。

——市民サービスの面では、出動の際に受け付けが難しくなることに課題を感じていたのですね。事務オペレーションの面ではどのような課題がありましたか。

平:事務オペレーションの面では、受け付けた届け出書を、管轄エリアの消防署に送付する手間をなくせないかと考えていました。利用者は、エリアに関係なく、身近な消防署や出張所に対して届け出書を提出できますが、その後、消防側で管轄エリアの消防署に届け出書を送付する業務が発生していました。

左から、消防局 予防課 主査 平 新吾氏、中央消防署 消防士長 鶴瀬 和輝氏

遠方の事業者が簡単に届け出できるようになった

——市民サービス面や事務オペレーション面で課題を感じていた中で、実際にオンライン申請を導入していかがでしたか。

平:オンライン申請は、遠方の場合にも簡単に届け出ができるのがメリットだと感じました。2021年9月に「火災とまぎらわしい行為の届出」「防火対象物使用開始届出」「道路工事届出」「露店等の開設届出」に関してオンライン申請を導入したところ、実際に、東京の事業者からオンラインで届け出がありました。

——遠方の事業者にとっては、窓口で提出する手間が省けるということですね。

平:そうですね。例えば、フランチャイズで佐世保市に飲食店を出店する事業者の場合、これまでは、現地の人に代理で届け出を依頼したり、郵送で届け出を行ったりする必要がありました。しかし、オンライン申請を導入したことによって、オンラインで簡単に届け出ができるようになりました。

——非対面の手段として、郵送という手段もありますが、郵送と比較すると、オンラインにはどのようなメリットがありますか。

平:郵送と比較すると、利用者の手間が大きく省けることに加えて、スピーディに届け出ができるメリットもあります。郵送の場合には送付までに数日かかりますが、オンラインの場合には、すぐに届け出を受け付けて処理を進めることができます。

きっかけはDX推進室の呼びかけだった

——当初目的としていたように、利用者がより安心して届け出できる手段を構築されたのですね。取り組みのきっかけは何だったのでしょうか。

平:オンライン申請を推進するDX推進室の呼びかけに手を挙げたのがきっかけです。従前から課題を感じていたところ、「DX推進室が中心となって、庁内全体でオンライン申請に取り組んでいく」という話を受けて、ぜひ参加したいと考えました。

——消防局では多くの届け出があるかと思います。その中で、今回オンライン化の対象とした手続きはどのように選んだのでしょうか。

金ヶ江:今回対象とした四つの届け出は、申請件数が年100件以上あり、ぴったりサービスの対象とならないものです。はじめからすべての届け出を対象とするのではなく、小さく始めて徐々に拡大していく方針で進めました。

左から、総務部 DX推進室 富永 愛美氏、平松 純一氏、係長 金ヶ江 佐代子氏

——DX推進室と消防局では、役割をどのように分担したのでしょうか。

金ヶ江:DX推進室が消防局にヒアリングを行い、申請フォームの作成を行いました。自治体によって取り組み方法は様々かと思いますが、佐世保市においては初期的に、DX推進室がすべての申請フォームを作成する役割を担いました。

——「DX推進室が担当課にヒアリングを行って、その内容をもとに申請フォームを作成する」という進め方をされたのですね。消防局では、このような進め方をしていかがでしたか。

平:DX推進室にリードしてもらえるのが大変ありがたいと感じています。われわれだけでは人手も足りず、冒頭からすべて自分たちだけで行うのはハードルが高いように感じます。今回、DX推進室が引っ張ってくれたからこそ、短期間でオンライン申請の導入が実現できたのだと思います。DX推進室とのやりとりにはWeb会議とチャットを活用。プロジェクトをスムーズに進めることができました。

参考:佐世保市DX推進室の詳細事例『【DX推進 デジタル化のヒント】佐世保市DX推進室「事務担当課が情報提供、DX推進室がフォーム作成」

今後はオンラインの対象となる届け出を拡大

——DX推進室とのチームワークによって、すでに四つの届け出をオンライン化されています。今後は、どのような取り組みを行っていきますか。

平:オンラインの対象となる届け出を増やしていきたいと考えています。直近では、18の手続きを対象にオンライン化に対応することを予定しています。

——段階的にオンライン化を進めているのですね。

平:あわせて、ペーパーレス化の検討も進めたいと思います。現在は、届け出を受け付けた後の決裁事務は、紙で行っています。今後導入を予定している電子決裁システムにより、決裁までデジタルで完結することによって、事務オペレーションの効率化につながるのではないかと考えています。

取材:柏野 幸大、本山 紗奈、東 真希 / 写真:本山 紗奈 / 文:東 真希 (Govtech Trends編集部)
(※文中の敬称略。撮影時のみマスクを外しています。所属や氏名は取材当時のものです。)

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グラファー Govtech Trends編集部

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