【ガブテックイベント】内閣官房主催「第1回自治体ピッチ」登壇レポート
自治体職員の方に向けて、デジタル行政の最新情報をお伝えするGovtech Trends編集部です。地方自治体のデジタル化を後押しする「第1回自治体ピッチ」が、2019年9月3日に開催されました。今回は、自治体の電子化を推進する大きなきっかけとなったこのイベントにおいて、多くの質問が飛び交ったグラファー登壇の内容についてレポートします。
取材・写真:田村 愛、文:東 真希(Govtech Trends 編集部)
自治体のデジタル化を推進する初の試み「自治体ピッチ」にグラファーが登壇
自治体ピッチとは
自治体ピッチは、行政課題をテクノロジーで解決することを目指して、スタートアップなどの民間事業者がプレゼンテーションを行い自治体職員と対話を重ねる官民連携イベントです。
自治体ピッチとは、開発者が自治体職員に対し、複数の自治体で共同利用することができるAI等を活用したシステムやアプリケーションを提案し、相互に意見交換を行うことで、業務やシステムの改善を目指す場です。(内閣府 IT総合戦略室より)
2019年9月3日に内閣官房主催で開催された「第1回自治体ピッチ」では、会場参加者以外に約800回にのぼる動画閲覧数を記録し大きな注目を集めました。
※ピッチとは、これまでにない新しいアイデアを提案する短いプレゼンテーションのことです。
自治体ピッチが開催された社会背景
自治体ピッチが目指すのは、個々の自治体が「それぞれにシステムを開発し、所有する」のではなく、全国の自治体が優良なシステム、アプリケーションを「共同で開発し、利用する」ことの促進です。世界でも過去に例を見ないほどの少子高齢化、労働人口の減少の波により急務となる行財政改革を進めるには、全国的な取り組みが必要とされているのです。
司会の内閣官房 政府CIO上席補佐官 兼 財務省CIO上席補佐官 座間 敏如様
多くの質問が飛び交ったグラファーのピッチ内容
全9社の企業がピッチに参加する中、デジタル行政を最新テクノロジーで支援するグラファーが登壇。行政手続き・窓口業務支援に関するサービスを提案し、自治体職員の方から多くの反響が集まりました。
株式会社グラファー Government Success 小寺 広晃
グラファーが提案したのは、市民に質の高い手続きを提供しながら職員の業務を効率化する「Graffer®︎ 手続きガイド」です。デジタル行政を進める第一歩として多くの自治体で課題となるのが、多種多様な行政手続きを市民それぞれに案内する場面です。「Graffer®︎ 手続きガイド」は、このような課題を解決するために開発されました。ユーザーである市民は、スマホやパソコンから手続きガイドを利用することで、自分に必要な手続きや行くべき窓口をいつでも確認することができるのです。案内をシステム化することで職員の業務負荷も大きく軽減されます。
「Graffer®︎手続きガイド」を導入した鎌倉市、神戸市の事例を紹介
続けてご紹介したのは「Graffer®︎ 手続きガイド」を活用して革新的な行財政改革を進める鎌倉市や神戸市の事例です。行財政改革や職員の働き方改革を本格化する鎌倉市や神戸市では「Graffer®︎手続きガイド」を市民向け手続きや事業者向け手続きに利用することで、業務効率化と市民の利便性向上を同時に実現しています。
参考:「鎌倉市 くらしの手続きガイド」
市民は、いくつかの質問に回答していくだけで、自分に必要なサービスや窓口、持ち物をスムーズに洗い出すことができる。詳細は鎌倉市の事例をご確認ください。
参考:「神戸市 介護事業所手続きガイド」
手続きガイドを事業者向け手続きに活用。制度が複雑な介護サービスの手続きにおいて、事業者自身が大量の手続き書類の中から、自分に必要な書式を簡単に洗い出すことができる。
「Graffer®︎ 手続きガイド」は自治体の共同利用を前提に開発されたサービス
「Graffer®︎ 手続きガイド」は、転入などのライフイベントだけではなく、福祉課、介護課などのあらゆる手続きの案内業務に利用することができます。個別開発は行わず汎用性を突き詰めて開発されているため、全国の行政手続きすべてに対応することができるという特徴があります。
また、この先グラファーが手がけるのは、より総合的な窓口支援サービスです。事前に基本情報を入力することで、市民が氏名や住所を何度も入力する手間を省いたり、市民があらかじめ登録した情報を窓口職員が修正できるようにするなど、全国のあらゆる自治体のあらゆる手続きに対応していきます。
【補足】グラファーに寄せられた質疑応答の様子
ピッチ後には、自治体職員の方からいただいた質問に対する質疑応答が行われました。その一部をここでご紹介します。
Q: 他社サービスとグラファーの違いは何ですか?
A: グラファーでは、市民目線を徹底していることが一番の違いです。開発プロセスの中にユーザー視点やテストを取り入れながら、構築後に何度も改善を重ねています。職員目線を大切にしながらも提供者目線に偏らないよう、市民の利便性を追求しています。
参考:『政府CIO サービスデザイン思考とは』
Q: どういった自治体との事例が多いですか?
A: 市民サービスの向上や窓口混雑の改善に取り組みたいと考える自治体の方と一緒にプロジェクトを進めるケースが多くあります。「何度も同じことを書かされる」などの市民負荷を減らしていこうというモチベーションの自治体の方からお問い合わせをいただいています。
まとめ
「第1回 自治体ピッチ」のイベントレポートをお届けしました。初回開催の中、活発な意見交換が行われ、全国的にデジタル行政を広げていく大きなきっかけとなりました。地方自治体の業務をデジタル化にするには、単にシステムを導入するだけではなく共同利用やサービスデザイン思考の観点が欠かせないことが明言された今回のイベント。イベントをきっかけとした、さらなる日本の行政変革が期待されます。
(※文中の敬称略。所属や氏名は取材当時のものです。)
行政デジタル化の実現に向けて、各自治体では取り組みが進んでいます。デジタル改革を後押しするのは、あらゆる行政手続きをオンラインで完結する「Graffer スマート申請」、簡単な質問に答えるだけで行政手続きを洗い出せる「Graffer 手続きガイド」などの製品です。Graffer 製品の導入期間や費用については、お問い合わせ窓口からお気軽にご相談ください。
グラファー Govtech Trends編集部
Govtech Trends(ガブテック トレンド)は、日本における行政デジタル化の最新動向を取り上げる専門メディアです。国内外のデジタル化に関する情報について、事例を交えて分かりやすくお伝えします。
株式会社グラファー
Govtech Trendsを運営するグラファーは、テクノロジーの力で、従来の行政システムが抱えるさまざまな課題を解決するスタートアップ企業です。『Digital Government for the People』をミッションに掲げ、行政の電子化を支援しています。