月2万件超のオンライン照会でケアマネジャー・職員双方の負担を軽減。横浜市が進める「要介護認定照会システム」活用
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月2万件超のオンライン照会でケアマネジャー・職員双方の負担を軽減。横浜市が進める「要介護認定照会システム」活用

2026.09.15 Tue

要介護認定の進ちょく状況や認定結果の確認をオンライン化した横浜市。「要介護認定照会システム」の導入により、閉庁時も含めてオンラインでいつでも照会できる環境を整えました。照会件数は月2万件を超え、事業所の利便性向上と区役所職員の負担軽減につながっています。

月2万件超利用される「要介護認定照会システム」とは

——「要介護認定照会システム」の仕組みについて教えてください。

「要介護認定照会システム」は、ケアマネジャー等が要介護認定の進ちょく状況や認定結果をオンラインで確認できる仕組みです。あらかじめアカウント登録を済ませておけば、被保険者番号と申請日を入力するだけで、必要な情報をすぐに照会できます。

「要介護認定照会システム」では、時間を気にせず24時間365日照会が可能。

——ケアマネジャーからは、どのような反応がありましたか。

「時間を気にしなくていいのが助かる」という反応がありました。これまでは開庁時間に合わせて、忙しい業務の合間に要介護認定の進ちょく状況を照会する必要がありましたが、「開庁時間に縛られない照会手段」が加わったことがメリットになっているようです。

スマートフォンにも対応しているため、外出先や移動中でも照会できて、窓口の混雑などの役所側の事情を気にする必要もありません。その分の時間を本来の業務に充てやすくなります。

——利用開始から数カ月が経過しましたが、要介護認定照会システムの利用件数はどのくらいでしょうか。

利用開始初日から500件を超えるアクセスがあり、直近の照会件数は月2万件以上です。オンラインで気軽に照会できるようになったことで、件数自体も増加しているのではないかと思います。

電話での対応の場合は、確認作業も含めて1件あたり5〜6分かかっていました。そのため、もともと電話で照会されていたもののうち数割がオンラインに移行したと試算するだけでも、大きな時間の削減につながっているはずです。

オンラインで月2万件を超える照会が行われており、電話や窓口に代わる確認手段として定着しつつある。

現場に負担をかけない運用を

——庁内での、要介護認定照会システムの運用負荷についても教えてください。職員は日々どのような業務を行っているのでしょうか。

横浜市では各区で要介護認定に関する業務を行っているのですが、要介護認定照会システムへのデータ登録や問い合わせは、取りまとめ部門である私たち健康福祉局で対応しています。

日々の業務としては、毎朝8時から8時半の間に業務システムを起動し、連携するデータを抽出してシステムにアップロードしています。作業時間は1回5分ほどです。今回の連携にあたって業務システム側にも少し手を加え、必要な項目だけを1クリックでCSV出力できるようにしています。

あわせて、事業所の新規アカウント登録の際に承認を行ったり、問い合わせに対応したりしています。

毎朝の作業として、業務システムから連携データをCSVで抽出し、照会システムにアップロードしている。

きっかけは「電話のたびに業務が中断されている」という現場の声

——利用が拡大している要介護認定照会システムですが、導入のきっかけは何だったのでしょうか。

きっかけは、区役所の担当者から「電話での照会などの問い合わせが多く、そのたびに業務が中断されている」という課題感を耳にしたことです。ケアマネジャーにも話を聞いたところ、開庁時間にあわせて電話や窓口で照会することに負荷を感じていることが分かり、何とか改善できないかと考えていました。

——職員・ケアマネジャー双方の負荷を改善できないかと考えていたのですね。さまざまなサービスがある中で、「要介護認定照会システム」を選定した理由を教えてください。

利用できるユーザー数に制限がなかったことを評価しました。横浜市は日本最大規模の政令指定都市のため、システムに登録するデータ量も1日あたり1万件以上と膨大です。このような膨大なデータの処理に標準的に対応できることは重要な観点でした。

あわせて、ケアマネジャーからみたときの操作感がシンプルで分かりやすかったことや、機能の改善や追加に対しても柔軟に検討を進めてくれる点も後押しになりました。

健康福祉局高齢健康福祉部介護保険課 担当係長 赤岸 省哉氏

利用事業所は徐々に拡大

——導入前には、庁内でどのような調整や説明を行いましたか。

庁内への説明としては、データのアップロードや問い合わせ対応は本庁側で行うため、現場には負担もかからないことや、負担は軽くなる見込みであることを伝えました。現場に新たな業務を依頼するものではなかったため、ネガティブな反応は特にありませんでした。

——事業所への説明はどのように行いましたか。また、ケアマネジャーの反応はいかがでしたか。

導入開始前のタイミングで、ケアマネジャーの連絡会で説明を行いました。手間が削減されるものであるため、ポジティブな反応が大半でした。

利用開始後は、事業所向けの操作マニュアルを用意し、市の公式ページで案内しています。当初は使い方の質問などがありましたが、その後は落ち着いています。

——事業所の登録件数は何件ほどでしょうか。

現在のところ、事業所の登録数は850件ほどで、登録希望は継続的に届いています。区役所の窓口や電話での案内や、事業所間の口コミで自然に利用が広がっている状況です。

今後も、介護人材へのサポートを拡充していく

——最後に、今後の展望をお聞かせください。

要介護認定照会システムは、ケアマネジャーや事業所、そして職員の負荷軽減に着実につながっています。

一方、国では現在、介護情報基盤の整備が進められています。介護・医療・自治体の間で利用者の情報を共有する仕組みで、要介護認定の情報もその対象に含まれます。ただ、全国的な運用が本格化するまでには一定の時間がかかります。その間も、ケアマネジャーや職員の負担は日々発生し続けます。

こうした状況を踏まえ、目の前の課題に対して現実的な解決方法があり、コストの面でも無理がないのであれば、まずできるところから介護人材を支えていこうと考えました。

今後は国の基盤整備の動向も見ながら、ケアマネジャーや事業所の負担軽減につながる取り組みを引き続き広げていきたいと考えています。

(※文中の敬称略。所属や氏名、インタビュー内容は取材当時のものです。)

横浜市が取り組む、要介護認定照会のオンライン化は「Graffer 要介護認定照会システム」によって実現できます。費用や導入期間については、無料お問い合わせからお気軽にお問い合わせください。

グラファー Govtech Trends編集部

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