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2019.10.31 Thu

シンガポールの最新提言:各国法律を適用しながらシンガポールにサーバーを設置

シンガポール政府は、「シンガポール国内にサーバーを設置しても、設置した国の法律を使用してデータを管理できるようにする」というアイデアを世界に先駆けて示しました。

通常、海外にサーバーを設置する際には、その状況に応じてどこの国の法律に準ずるかは異なります。さらに、その際のルールは非常に複雑です。そのような国際的な流れの中、シンガポールは、世界のハブ港ならぬハブデータセンターとなるべく最新の提言を行いました。シンガポール政府が行なった提案内容をご紹介します。

シンガポールの最新提言:各国法律を適用しながらシンガポールにサーバーを設置

シンガポールで進むデータ時代のイノベーション

シンガポール政府は、シンガポール国内にサーバーを設置しても、各国の法律に準拠してデータを管理できるようにする提言を示しました。

これは、シンガポールの政府によって設立されたCentre for Strategic Futuresが2年に1度開催するForesight Conference 2019で発表されたものです。(発表内容全文)

現状、海外にサーバーを設置した場合、最終的にどこの国の法律に準拠するのかは非常に複雑です。よくある誤った認識は「サーバが海外にあればその国の法律が適用される」というものですが(*1)、実際はそうではなく、例えば、どのような商品を取り扱うか、規約はどのように締結されているか、どの国で裁判を受けるかなどの状況により判例は様々です。(*2)

サーバーをシンガポールに設置しながら各国の法律に準拠できる時代へ

このような中、シンガポールが提言するのが、シンガポールにサーバーを設置しながら、各国の国内にあるのと同じように利用できるという仕組みです。

「1819年にラッフルズがシンガポールをフリー・ポート(自由港)にし、どの国からの貿易業者をも歓迎したように、シンガポールはデータのフリー・ポートになる可能性がある」と、戦略的未来センター上級顧問であり元公務員長を務めたピーター・ホーは述べている。そして「シンガポールのデータセンターは、まるでデータが管理されている国にデータが保管されているような感覚で、そのデータが管理されている国の法律に則り管理・運用されることが可能になる。」とも述べている。

引用元:Exclusive: Singapore could host data from other countries using their laws

訳:Toshihiro Hatano(Govtech Trends編集部)

まとめ

シンガポールが提言する新たな仕組みをご紹介しました。まだ提言の段階ではありますが、シンガポールにサーバーを設置しても各国の法律に準拠するような仕組みが構築できれば、各国の利便性を大きく高めることは間違いありません。

法解釈やテクノロジー面での課題は存在するものの、東京都23区とほぼ同じ大きさであるシンガポールが、データの世界でも世界のハブとなっていくのかもしれません。実際にどの程度が具体化するか、今後の動向にも注目していきます。

出展:https://govinsider.asia/innovation/exclusive-singapore-could-host-data-from-other-countries-using-their-laws/


参考文献:

*1: 国境を越える電子商取引の法的問題に関する検討会報告書(平成22年経済産業省)

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/ec/cbec/cbec_images/crossborderec_houkokusho.pdf

*2: 電子商取引及び情報財取引等に関する準則(平成30年経済産業省)

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/ec/180801.pdf

グラファー Govtech Trends編集部

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