公営企業会計への移行「手探りでの開始から、2年目の決算は残業ゼロに」南富良野町の取り組み
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公営企業会計への移行「手探りでの開始から、2年目の決算は残業ゼロに」南富良野町の取り組み

2026.10.13 Tue

水道・病院など、庁内でも限られた部署で対応が求められる公営企業会計。南富良野町では移行にあたって、行政システム研究所の公営企業会計システム「PASS」を導入。庁内に知見を持つ職員が不在の中、制度理解から予算編成、決算までを軌道に乗せ、手探りだった1年目を経て、2年目の決算を残業ゼロで終えています。

広がる公営企業会計への移行。「PASS」選定の決め手は支援体制

——今回、南富良野町が対応した公営企業会計とは何でしょうか。

公営企業会計とは、税金を財源とする一般会計とは異なり、料金収入などの事業収入で独立採算的に運営される会計方式です。対象は水道・下水道・病院・交通など、企業的な経営を行う部署になります。

従来は一定規模以上の事業が対象でしたが、総務省が下水道や簡易水道についても移行を要請し、人口3万人未満の団体に対しても令和5年度までの適用を求めたことで、対象は小規模自治体にも広がっています。南富良野町でもこの流れを受けて、令和6年4月に公営企業会計に移行しました。

そして移行にあたって必要になったのが、公営企業会計に対応したシステムです。従来の財務会計システムでは複式簿記による処理や資産管理に対応できないため、多くの自治体が会計制度の移行にあわせて新たなシステムを導入することになりました。そのような中で、南富良野町が選んだのが行政システム研究所の「PASS」でした。

——「PASS」を選んだ決め手は何でしたか。

法令準拠や最新制度への対応はもちろんのこと、細かな機能要件に対応できること、そして導入後の支援体制が決め手となりました。システムの運用だけではなく、公営企業会計に関する専門性の高い支援体制があるかどうかは重要なポイントでした。

豊富な機能や支援体制が決め手となった。

「何が分からないのかすら分からない」状態から、2年目の決算では残業ゼロへ

——公営企業会計は、一般会計とは仕組みが大きく異なりますが、移行で一番苦労したことは何でしたか。

一番苦労したのは初年度の予算編成です。公営企業会計に対応するのは南富良野町では上下水道が初めてだったため、庁内には知見を持つ職員がいませんでした。お金の流れも用語も一般会計とは大きく異なり、「何が分からないのかすら分からない」という状態からのスタートでした。

——そのような状況から、どのように制度やシステムへの対応を進めていったのでしょうか。

行政システム研究所の担当者に支援を受けながら進めていきました。分からないことを溜め込まないよう、多い日には1日に何度も質問していたと思います。

制度の不明点も多く、壁に直面することもありましたが、「何でも聞いてください」という担当者の姿勢に支えられ、業務を止めずに安心して前に進むことができました。

——初めての決算はいかがでしたか。

最初の決算では制度の解説や例を一つずつ確認しながら進めたため、残業が続きました。特に負荷が大きかったのは、決算前に総務省へ提出する決算統計調査です。公営企業会計では、決算統計調査・決算・消費税の申告が同じ時期に重なるため、短期間で業務を並行して進める必要がありました。

この時期は特に、行政システム研究所の担当者とやり取りを重ねながら乗り切りました。初年度で必要な知識を運用に落とし込むことができたことで、2回目となる今年の決算は、残業ゼロで終えることができました。

南富良野町役場建設課上下水道係 係長 小柴 塁氏

——初年度で一気に仕組みを固められたのですね。

初年度は、「この予算はどの事業で持ったほうがよいか」といった、決めなければいけない部分も多くありました。こうしたシステム以外の面についても、制度・システム・町の実情を踏まえて相談できたことで、町としてより適切な判断をしていくことができました。

毎週のようなアップデートで、制度改正や現場の要望にも迅速に対応

——法令遵守や制度改正への対応も求められるのではないかと思います。こうした変更に対して、システムのアップデートはどのくらいの頻度で行われていますか。

制度改正への対応はもちろん、機能改善、不具合の修正などを含め、毎週のようにアップデートが行われています。インボイス制度などの際も、スピーディーにシステムに反映されていました。

——導入から2年ほどたちましたが、疑問点があった際には、どのように解決されているのでしょうか。

疑問点があった際には、その都度電話やメールで相談しています。公営企業会計は一度覚えれば終わりというものではありません。運用が続くかぎり相談できる体制があることが、安定した運用につながっています。

一般会計とは別物だからこそ、システムと支援の両輪で

——2年目の決算を残業ゼロで終えられた南富良野町から見て、公営企業会計の運用ではどのような点が重要だと考えていますか。

公営企業会計に対応することで、業務量そのものが大きく増えるわけではないのですが、お金の出し入れが一般会計とは異なるため、理解するまでに一定の負荷がかかります。さらにほとんど毎年、法令の改定も行われます。そのため、システム面の対応と同じくらい、継続的に支援を受けられる体制が重要だと考えています。

——最後に、今後の展望をお聞かせください。

公営企業会計には、水道の建設など単年度で完結しないものもあり、開始してみないと分からないことも多い領域です。そこに定期的な職員の異動が重なるため、担当者が変わっても適切に運用できる状態をつくることが次の課題だと思っています。引き続き、安定した運用を続けながら、住民の生活を支えるインフラを守ってまいります。

(※文中の敬称略。所属や氏名、インタビュー内容は取材当時のものです。)

南富良野町が取り組む公営企業会計の移行は、行政システム研究所の「公営企業会計システム PASS」によって実現できます。費用や導入期間については、無料お問い合わせからお気軽にお問い合わせください。

グラファー Govtech Trends編集部

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