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2021.12.07 Tue

「導入時は、テンプレートをほぼそのまま活用」松原市が進める証明書のオンライン請求

大阪府松原市は、電子申請システムである「Graffer スマート申請」を利用して、戸籍や住民票、印鑑証明書、課税・納税証明・固定資産評価といった証明書のオンライン請求を次々と実現。設定にかかった期間は、1手続きあたり2、3日だといいます。その鍵となったテンプレートの活用について伺います。

大阪府松原市:117,611人(令和2年国勢調査)

「導入時は、テンプレートをほぼそのまま活用」松原市が進める証明書のオンライン請求

テンプレートの活用によって、オンライン申請をスムーズに導入

——市民生活部では、どのようなきっかけでオンライン申請に取り組まれたのでしょうか。

宮本:市民サービスの向上に向けて市全体でデジタル推進に取り組む中、デジタル推進課の働きかけが一つのきっかけとなって、オンライン申請の検討をはじめました。

——オンライン申請を検討する前は、デジタル化に対してどのような印象を持っていましたか。

岡田:デジタル化に対しては、システムの導入がスムーズに進むのかという漠然とした懸念はありました。オペレーション面でも、申請の取りこぼしは発生しないのか、既存のオペレーションとうまく組み合わせられるかといった点については検討の必要があると感じていました。

一方で、従前から行っていた郵送による申請に対しては課題感を感じていました。例えば、週明けなどの処理件数が多いタイミングでは、通常の窓口業務を行いながら郵送の処理を行うため、職員の業務に負荷がかかります。結果的に、来庁者をお待たせすることにもつながるため、何とか解決できないかと考えていました。

——実際に、オンライン申請を導入して感じた、率直な感想をお聞かせください。

宮本:オンライン申請のシステム導入は、想定以上にスムーズに進みました。「Graffer スマート申請」に用意されたテンプレートを活用することによって、予定よりも早く、簡単に設定が完了したからです。もともとは、それぞれの手続きにおいて準備に1、2週間はかかるだろうと予想していましたが、実際には1手続きあたり2、3日で完了しました。

多くの自治体の事例や知見が詰まったテンプレートを活用することによって、導入はスムーズに進んだ。松原市では、住民票、印鑑証明書、戸籍謄本・戸籍抄本、市府民税の課税所得証明書、固定資産評価・公課証明書、納税証明書に対するオンライン申請の導入にテンプレートを活用している。(2021年12月現在)

——テンプレートはそのまま活用するだけではなく、修正を加えることもできます。市民生活部においては、どのような修正を行いましたか。

宮本:例えば戸籍のオンライン申請に関しては、テンプレートをベースにしながら、市民にかかる郵便料金の一部を修正しました。そのうえで課内でレビューを実施。他の箇所についてはテンプレートの仕様をそのまま採用しました。

市民からは「小為替や封筒を用意する手間がなくなったので助かる」という声

——市民サービスの向上を目的に、オンライン申請の導入を進めたということでしたが、市民からはどのような反応がありましたか。

岡田:市民からは、「小為替や封筒を用意する手間がなくなったので助かる」「好きな時間に申請できる」という声をいただきました。

國田:「他市に住んでいるので早くて便利」という声もいただいています。遠方の方が郵送で手続きで行う場合、投函(とうかん)してから市に到着するまでにも期間がかかるため、オンライン申請の方が、より早く手元に届くためではないかと思います。

左から、市民生活部 窓口課 戸籍係 國田 歩美氏、係長 作田 明孝氏、岡田 佳樹氏、主任 山下 裕基氏

——市民のメリットにつながったと感じていらっしゃるのですね。一方で、オンライン申請を導入したことを機に、市民からのお問い合わせは増加しませんでしたか。

宮本:システムの使用方法に関する問い合わせの増加を想像していましたが、実際には市民からのお問い合わせはほとんどありません。例えば、当初想定していた「マイナンバー認証の暗証番号を忘れた」という問い合わせも、実際にはほとんどありません。オンライン申請の利用者は、比較的年代が若い方が多いため、操作に慣れているのかもしれません。

オペレーション面では、運用負荷の軽減を実感

——市民生活部では、テンプレートの活用によって、スムーズなシステム導入を実現されています。一方、オペレーション面では当初懸念していたような問題は発生しませんでしたか。

國田:オペレーション面では、当初懸念していたような問題は発生しませんでした。例えば、申請が届くとメールで通知が届くようにしているため、取りこぼしも発生していません。郵送による申請と比較しても、申請ミスが少なく、市民サービスに加えて、職員の事務にもメリットがあると感じます。

——郵送とオンラインの運用負荷を比較すると、どのような違いがありますか。

國田:オンライン申請は、郵送による申請と比較して、運用負荷の削減につながっています。郵送の場合には、送付物の確認、添付書類の確認、申請内容の確認、交付用の証明書の出力、封筒の用意、封入といった多くの作業があります。資格がない方が申請してきた場合や、添付書類に不備があった場合の対応も発生します。申請者に電話連絡がつかず、お手紙でやりとりが発生することもあります。一方、オンライン申請は、申請が届いたら、申請内容を確認したうえで交付用の証明書を発行し、内容を最終確認して封入すれば作業は終了です。それぞれの工程にかかる時間は5分ほどです。

——郵送と比較して、大きく負荷軽減につながっているということですね。他にはオペレーション面でどのような変化を感じていますか。

國田:オンラインでは「履歴」が残る点にメリットを感じています。申請者は処理の最新状況をオンラインで確認できます。郵送による申請の場合には、処理の進捗状況を申請者に伝えることができません。一方、オンライン申請の場合には、申請者自身が逐一進捗を確認できるため、安心してお待ちいただけると感じています。

市民への周知には、市ウェブサイトのトップページを活用

——オンライン申請の導入にあたっては、市民への広報もポイントとなってくるかと思います。松原市では、どのように周知を行いましたか。

國田:市ウェブサイトのトップページに案内を掲載して、市民への周知を行いました。ファーストビューに案内を配置することによって、多くの市民に認知を拡大できたのではないかと考えています。

認知拡大のために、オンライン申請の案内をトップページのファーストビューに掲載した。

——トップページは閲覧数が最も多く、市民の目に止まる位置ですね。認知拡大に力を入れていらっしゃるのですね。

國田:オンライン申請に加えて、マイナンバーカードの取得や利用促進を行っているタイミングのため、多くの市民に認知を広げたいと考え、一定期間トップページでの広報を行っています。トップページからオンライン申請のページにリンクを貼ることによって、電話での問い合わせの際、市民に対して導線を簡単に案内できるメリットもあります。

——他には広報施策として、どのような取り組みを行っていますか。

岡田:広報課の協力を得て、市のLINE公式や、広報誌においても周知を行っています。市のLINE公式においては、メニューにも目立つ形でオンライン申請への導線を配置しています。電話でお問い合わせがあった際にも、積極的にオンライン申請の案内を行っています。

今後は、申請数の多い手続きを中心にデジタル化を進めていく方針

——今後はどのような取り組みを進めていく予定ですか。

足立:デジタル化に積極的に取り組んでいきたいと考えています。2025年問題や2030年問題といった労働者不足は、自治体においても将来の課題となっていくと予想されます。窓口の来庁者数が多い業務を中心にオンライン化を進めることによって、市民サービスの向上と、職員の負荷軽減に取り組んでいきます。

市長公室 デジタル推進課 デジタル推進係 足立 裕貴氏、永木 亜里紗氏

——庁内でスムーズにデジタル化を進めていくためには、どのような観点が必要でしょうか。

永木:デジタル化は、市民にとっても職員にとってもメリットがある一方で、導入には一定の負荷がかかるという課題もあります。そういった観点では、今回のようなテンプレートの活用によって、現場の負荷を最小限にしながら導入を進めていくことが大切だと認識しています。

——市民生活部においては、すでにさまざまな手続きをオンライン化されています。今後はどのような取り組みを行っていきますか。

宮本:すでにオンライン化に対応した手続きに関しては、広報誌、LINE、HPを通じて認知度を高めていきます。市民生活部においても、デジタル推進によって、市民サービスの向上と職員の負荷軽減に取り組んでいきたいと考えています。今後のデジタル化に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えています。

左から、市民生活部 窓口課 課長 宮本 貴代氏、市民生活部 窓口課 戸籍係 係長 作田 明孝氏、國田 歩美氏、主任 山下 裕基氏、岡田 佳樹氏、市長公室 デジタル推進課 デジタル推進係 永木 亜里紗氏、足立 裕貴氏

取材:本山 紗奈 / 写真:本山 紗奈 / 文:東 真希 (Govtech Trends編集部)
(※文中の敬称略。撮影時のみマスクを外しています。所属や氏名は取材当時のものです。)

松原市が取り組む、証明書のオンライン申請は「Graffer スマート申請」によって実現できます。導入時は、優良事例を取り込んだテンプレートを活用可能です。費用や導入期間については、 無料お問い合わせからお気軽にご相談ください。

グラファー Govtech Trends編集部

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