小平市市民課がIVR(音声自動応答)でマイナンバーカードの問い合わせ満足度を向上。「電話がつながらない」という市民の不安を防ぐ
国内事例

小平市市民課がIVR(音声自動応答)でマイナンバーカードの問い合わせ満足度を向上。「電話がつながらない」という市民の不安を防ぐ

2025.03.31 Mon

東京都小平市の市民課は、増加するマイナンバーカードに対する問い合わせ対応の効率化と市民満足度の向上を目指して「Graffer Call」を導入。IVRを活用することで、問い合わせ件数の増加に伴って発生していた「電話がつながらない」という市民の不満を解消し、よりスムーズで満足度の高い市民サービスの提供を実現しています。

※IVRとは
自動音声によって電話応答を行い、問い合わせ内容に応じた案内を自動で提供する仕組みです。

IVRをマイナンバーコールセンターに活用。電話がつながらないことによる市民の不安を解消

——IVR(自動音声応答)をどのような業務に活用していますか。

片嶌:マイナンバーカードに関する問い合わせを受けるコールセンターにIVRを活用しています。市民がコールセンターに電話をすると、最初に音声ガイダンスが流れ、案内に従って操作することで、スムーズに担当者につながる仕組みです。

音声ガイダンスに従って、用件に応じた転送先につながるようになっている。


——IVRの導入によってどのような効果がありましたか。

片嶌:マイナンバーカードのコールセンターに対する市民の満足度向上につなげることができました。混雑時にも音声案内によって状況を分かりやすく伝えられるようになったことで、不安や不満の解消につながったと感じています。

小平市  市民部  市民課 窓口担当 片嶌 邦博氏

——導入前にはどのような課題があったのでしょうか。

片嶌:マイナンバーカードの需要が増加する中、例えばマイナポイントの申請時期などには、大量の問い合わせが殺到し、コールセンターがパンクしてしまうという課題がありました。

——コールセンターがパンクするほどの大量の問い合わせが殺到するタイミングもあったのですね。

片嶌:問い合わせが集中すると、電話がつながらなくなり、市民からは「何度も電話したのにつながらない」といった不満の声が寄せられていました。その結果、本来は予約が必要な手続きにもかかわらず予約なしで来庁する市民が増加したり、必要な書類が不足したまま来庁するケースが増えたりといった問題が発生していました。状況を説明しても納得してもらえないこともあり、クレーム対応に多くの時間を取られることで、本来の業務に支障をきたすという悪循環が生じていました。

——問い合わせが殺到した時期は、いわゆる「カスハラ」のような状況も発生しやすくなっていたのではないかと思います。IVRを導入したことによって、市民の行動にどのような変化がありましたか。

片嶌:IVRを通じて、コールセンターの担当者とつなげる場合、混雑時には「混み合っています」というアナウンスを流せるようになりました。その結果、単純に電話がつながらないのではなく、「なぜつながらないのか」を伝えられるようになり、市民の不安や苛立ちが軽減されるとともに、状況を理解して待ってもらえる環境が整いました。

自動音声応答によって、市民が状況を理解しやすくなった。

電話に関連するデータを「可視化」

——他にはどのようなメリットがありましたか。

駒木:「Graffer Call」を導入したことで、これまで不透明だった電話業務の実態を明確にすることができました。例えばこれまでは「電話を取った件数」は把握できていたものの「電話を取れなかった件数」については把握できていませんでした。しかし、「電話を取れなかった件数」を正確に把握しなければ、問題は見過ごされがちになり、適切な対策を講じることができない状況でした。

小平市  市民部  市民課 窓口担当 駒木 友香氏

——電話業務の可視化によって、PDCAはどのように改善されたのでしょうか?

駒木:例えば最近では、電話がつながらなかった市民に向けた新たな対応策として、市公式LINE内でマイナンバーに関する疑問を解消できる取り組みを開始しました。電話業務の状況が「見える化」できたことで、このような具体的な対策を講じやすくなり、市民にとってよりメリットの高い施策を実施できるようになっています。

これまでブラックボックスのようだった電話業務が可視化されることによって、PDCAが回しやすくなっている。

自動音声に対する市民からのネガティブな反応はゼロ

——導入には、どのくらいの時間がかかりましたか。

片嶌:導入にかかった期間は約2週間です。特に大きなトラブルもなく、スムーズに導入できたと感じています。操作も分かりやすく直感的で、一度覚えてしまえば、マニュアルを何度も読み返す必要はありませんでした。

——導入時に工夫したことはありますか。

片嶌:自動音声による案内については、グラファーからのアドバイスも参考にしながら、できるだけシンプルで、市民が多くの操作をしなくても済むように工夫しました。コールセンターにつながる際には、最初に「手元に準備する書類」を自動音声で案内することで、予約手続きの流れがスムーズになるよう配慮しています。

——導入にあたっては、庁内から懸念の声などはありませんでしたか。

片嶌:導入前には「特に高齢者の方は自動音声に抵抗を感じるのではないか」といった懸念の声が庁内で上がりました。しかし、実際には市民からネガティブな反応はまったくありませんでした。

——自動音声については、市民に一定浸透しているということですね。

片嶌:そう思います。例えば、郵便局の再配達手続きなどでも自動音声が使われているため、市民にとって自動応答はすでに一般的なものとして認識されているのではないかと感じています。やはり、自動音声に対する不満よりも、電話がつながらないことやその理由が分からないことに対する不満のほうが、市民にとって大きなストレスとなっていたのではないかと思います。

今後は、市民のニーズにあわせて案内の工夫などを検討していく

——今後はどのようなことに取り組む予定ですか。

片嶌:今後は、電話を通じて市民がより簡単に疑問を解決できるよう、応答シナリオの改善や案内する内容の工夫を進めていきたいと考えています。市民のニーズに寄り添い、満足度の高い仕組みをさらに充実させることを目指して取り組んでまいります。


取材・写真:柏野幸大 / 取材・文:東 真希(Govtech Trends編集部)
(※文中の敬称略。撮影時のみマスクを外しています。所属や氏名、インタビュー内容は取材当時のものです。)


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