住民接点から業務システム連携まで一気通貫。給付事務をスピーディに完了する仕組みを構築した加東市
国内事例

住民接点から業務システム連携まで一気通貫。給付事務をスピーディに完了する仕組みを構築した加東市

2026.08.26 Wed

食料品物価高騰支援の給付金事務にあたり、住民接点となるオンライン申請と、業務システムをシームレスにつなぐ仕組みを構築した加東市。「Graffer スマート申請」と、サイボウズ社が提供するノーコードで構築できる業務システムツール「kintone(キントーン)」を外部API連携機能で連携させることで、市民からの申請受付から振込データの作成までを一気通貫で処理。限られた時間と人員のなかで、市民の利便性向上と職員の業務負担軽減を両立させています。

申請から振込データ作成までを一気通貫で

——給付事務の効率化に向けて、どのような仕組みを構築されたのでしょうか。

丸山:市民からの給付金申請から振込データの作成までを、一気通貫で処理できる仕組みを構築しました。住民接点となるオンライン申請には「Graffer スマート申請」を、業務システムには「kintone」を活用し、両者を連携させることでこのような仕組みを実現しています。

食料品物価高騰支援給付金の給付事務で、オンライン申請から内部事務まで、ほとんど手作業なくデータがスムーズに連携する仕組みを構築した。

——市民はどのような流れで申請を行うのでしょうか。

奥山:まずは給付金の対象となる世帯に、申請用二次元コードが記載された案内通知を郵送します。市民はその二次元コードからオンライン申請にアクセスし、案内に記載された世帯ごとのコードや口座情報などを入力して申請します。受け付けた申請データは、そのまま自動でkintoneに連携される仕組みです。

——kintoneに自動連携された後の、職員の業務の流れを教えてください。

丸山:職員はkintone上で申請内容を審査し、口座情報や添付ファイルに不備がないかどうかを確認します。不備があった場合は、スマート申請の差し戻し機能を使って市民に通知し、修正してもらいます。最終的には、kintoneから振込用のCSVデータを出力し、そのまま金融機関への振込処理に利用しています。

まちづくり政策部企画政策課 副課長 丸山 耕市氏

1件あたり20秒で審査完了。手作業を削減し、確実な運用へ

——事務の観点ではどのようなメリットがありましたか。

丸山:給付金の申請受付から振込までをスピーディに進められるようになったのが一番のメリットでした。オンラインで受け付けた申請は不備が少ないため、審査にかかる時間は1件あたり20秒ほどです。あわせて、kintone上で申請データを一元管理できるようになったことによって、同一世帯からの二重申請などをシステム上でチェックできる体制になりました。 

——紙での申請と比較すると、どのくらいの業務削減効果がありますか。

丸山:オンラインで届いたものについては、紙での申請と比較すると、工数は3分の1程度になります。紙の場合は手書き文字の判読や書類不備の確認に時間がかかり、システムへの手入力も発生するためです。オンライン申請はこれらがすべて自動化・データ化されているため、審査から振込までをスムーズに進めることができます。 

大まかな構築は「わずか1日」で。短期間での立ち上げ

——給付金事務は、従来どのように行われていたのでしょうか。

奥山:従来、給付金事務はMicrosoft Accessを活用して運用していました。ただどうしても担当者に業務が集中してしまうため、改修の対応が属人的になってしまうという課題を抱えていました。

——そのような状況の中で、今回のシステム構築に至った経緯を教えてください。 

丸山:もともと、市民に対してより適切に、一日でも早く給付を届けたいという思いがありました。一方で、給付金事務は業務量が多く、今後も同様の事務が発生することが見込まれるため、従来のやり方のままでは対応が難しくなると感じていました。そこでデジタル推進課に相談したことが、今回の取り組みのきっかけです。

——構築までどのくらいの期間がかかったのでしょうか。

奥山:ベースとなる構築にかかった期間はわずか1日です。その後、細かな調整を加えても、トータルで2週間弱ほどでした。

——大まかな構築は1日、全体でも2週間弱という短期間での立ち上げは、どのように実現されたのでしょうか。

奥山:すでに庁内で活用実績のあった「Graffer スマート申請」と「kintone」を組み合わせ、内製で構築したことがポイントです。いずれもノーコードで設定できるツールのため、新しくシステムを調達したり外部に委託したりすれば数か月はかかるところを、構築開始から実際の利用開始まで2週間弱で進めることができました。

内製のメリットは、スピードだけではありません。担当課と直接話しながら進められるので、ちょっとした修正であればその場で反映できます。外部委託では難しい細かな調整も柔軟に行える点は、こうしたツールを活用する大きな強みだと感じました。

まちづくり政策部デジタル推進課 主査 奥山 諒氏

築いた基盤を次の給付事務へ、そして市全体のデジタル化へ

——今後はどのように取り組みを進めていきますか。

奥山:今回の取り組みを通じて、オンライン申請から業務システムまでが、一気通貫でつながる基盤が整いました。二重申請の防止など、給付事務で求められるチェックも運用に組み込むことができたので、今後同様の給付や、類似の事務にも活用していけると考えています。

丸山:今回実際に運用してみて、「次はもう少しこう改善したい」というポイントも見えてきました。そうした気づきを踏まえて、次の取り組みにしっかり生かしていきたいと思っています。

——市全体として、今後どのようにデジタル化を進めていきたいと考えていますか。

奥山:今回、給付事務という一つの領域で、住民接点となる申請のデジタル化から、バックオフィスの業務システム連携までを実現できました。こうした取り組みを他の業務にも広げていくことで、オンライン申請率を100%に近づけていきたいという思いがあります。一方で、高齢の方やセキュリティ面に不安を感じる方もいるため、対象者に応じて柔軟に判断しながら、誰もが安心して利用できる形で、デジタル化を進めていきたいと考えています。

(※文中の敬称略。所属や氏名、インタビュー内容は取材当時のものです。)

加東市の「Graffer スマート申請」と「kintone」を連携させた給付事務の取り組みは、「Graffer スマート申請」によって実現できます。費用や導入期間などについては、無料お問い合わせからお気軽にお問い合わせください。

グラファー Govtech Trends編集部

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