国内事例
「転出届」のオンライン手続き —横浜市の窓口混雑緩和に向けた取り組み—
2021.06.02 Wed
「引っ越しシーズンの窓口混雑を少しでも緩和したい」そう語る横浜市が取り組んだのが、「転出届」のオンライン手続きです。これまで転出届の手続きは、窓口や一部郵送で受け付けていましたが、それに加えてオンライン手続きを導入。マイナンバーカードをお持ちの方は、24時間どこからでもスマートフォンから申請ができるようになりました。このような仕組みを導入するに至った経緯や、「転出届」の手続きをオンラインで行う際の流れをお伺いしました。
——導入のきっかけは何でしたか。
例年3~4月の引っ越しシーズンは窓口が大変混雑します。長い場合には受け付けまで2~3時間ほどお待ちいただくこともあります。そこで混雑を少しでも緩和するために、転出届のオンライン化に対応しました。
マイナンバーカードを利用した転出届の手続きは、転出証明書が不要。マイナンバーカードで本人確認を確実に行えるためだ。
——転出届のオンライン化によって、市民にはどのようなメリットがありますか。
区役所に行かなくてもよいというメリットがあります。特に引越しシーズンには混雑した窓口で待つ必要がなくなります。マイナンバーカードをお持ちでない場合に必要な、転出証明書を取得するためにかかる待ち時間もなくなります。
オンライン手続きと郵送手続きとを比較すると、オンラインの場合には切手を購入したり、封筒を準備したりする手間を省くことができます。
——職員にはどのようなメリットがありますか。
窓口の混雑緩和や、事務処理工数の削減につながっています。特に、郵送での手続きの場合には、封筒を開けて中身を確認し、完了時にはその旨を電話連絡しています。一方、オンラインの場合には、内容を確認して事務処理を終えたら、「処理完了」のボタンを押すだけで自動的に市民の皆さまに連絡がいきます。
転出証明書を出す必要がないというメリットもあります。本人確認にマイナンバーカードを利用しており、特例転出にあたるためです。郵送手続きでも同様のことができますが、電話確認の必要が発生する場合もあり、オンライン手続きほどの省力化にはつながりません。
市民局窓口サービス課 担当課長 粕谷 美路氏
——転出届のオンライン化には、どのような仕組みを採用しましたか。
オンライン化にあたっては、スマートフォンで手続きができる「Graffer スマート申請」のパッケージタイプを利用。選定の背景には、「費用」と「時間」という観点がありました。例えば、システムを独自に構築すると何倍もの費用がかかります。また市全体の汎用電子申請システムの入れ替えを待って導入しようとすると、時間がかかります。一方、パッケージタイプは、既にできあがったシステムです。検討時すでに引っ越しシーズンが差し迫っており、想定される混雑を緩和したかったため、コストを抑えながら短い期間で導入できる「Graffer スマート申請」を選びました。
写真:櫻井 優 / 文:東 真希 (Govtech Trends編集部)
(※文中の敬称略。撮影時のみマスクを外しています。所属や氏名は取材当時のものです。)
横浜市が取り組む、転出届のオンライン手続きは「Graffer スマート申請」によって実現できます。導入時は、さまざまな優良事例を取り込んだテンプレートが活用可能。費用や導入期間については、無料お問い合わせからお気軽にご相談ください
グラファー Govtech Trends編集部
Govtech Trends(ガブテック トレンド)は、日本における行政デジタル化の最新動向を取り上げる専門メディアです。国内外のデジタル化に関する情報について、事例を交えて分かりやすくお伝えします。
株式会社グラファー
Govtech Trendsを運営するグラファーは、テクノロジーの力で、従来の行政システムが抱えるさまざまな課題を解決するスタートアップ企業です。『プロダクトの力で 行動を変え 社会を変える』をミッションに掲げ、行政の電子化を支援しています。