
調達が楽になる!今すぐ始められる「DMP(デジタルマーケットプレイス)」の使い方
2025年3月、行政機関向けの機能が追加された、DMP(デジタルマーケットプレイス)がリリースされました。令和7年度の調達から自治体における調達事務がより効率化されることが期待されています。実際のステップに沿った具体的な使い方を、デジタル庁の永岡大誠氏に伺いました。
DMPとは
デジタルマーケットプレイス(以下、DMP)は、国の行政機関や自治体が事業者によって登録されたクラウドベースのソフトウェア(SaaS)を検索できるカタログサイトです。調達モードで検索した結果は業者選定の際のエビデンスとして出力することができ、調達事務の簡素化、調達期間の短縮化を図ることができます。
戦略・組織グループ デジタルマーケットプレイス(DMP)班 永岡 大誠氏
ステップ1. アカウント登録
まずはアカウント登録です。DMPトップページのユーザー登録をクリックして、必要事項を入力します。基本的には即日で利用を開始することができます。
ワンポイント
- 登録が認められているメールアドレスは、「go.jpドメイン」、「lg.jpドメイン」または「地域型ドメイン」。
- 部署の共用メールアドレスでも登録が可能。
- デジタル庁で把握していないドメインで登録したい場合には「お問い合せ画面」から問い合わせを行い、行政機関であることが確認できれば登録できる。
ステップ2. ソフトウェアの検索
次に、必要なソフトウェアを検索します。多数の検索項目を使って、迅速に絞り込みが可能。これまで時間がかかっていたソフトウェアの選定が大幅に効率化されます。
ワンポイント
- 検索項目は、デジタル庁が各自治体へのヒアリングを重ねて作成したもので、現場にとって必要度の高い項目がそろっている。
- 検索条件は保存したり、別のメンバーに共有したりすることができる。
ステップ3. ソフトウェアの比較
複数のソフトウェアを絞り込んだ後、それぞれを比較するのは手間のかかる作業です。DMPではワンクリックで複数のソフトウェアの機能や概算費用を、項目ごとに並べて比較することができます。
ワンポイント
- サービスの提供時間、データ移行の可否、アクセシビリティなどの項目ごとに横並びで比較ができる。
- 必要に応じて詳細ページへのリンクが貼られており、さらに詳細な情報を確認できる。
ステップ4. 販売プランの詳細を確認
絞り込んだソフトウェアを提供する販売会社、販売プランの情報やライセンス費用、導入費用の概算費用を確認することができます。個別に事業者へサービスに関する質問をしたり、見積もりを依頼したりすることも可能です。
ワンポイント
- 同じソフトウェアで複数の販売プランがあった場合に販売プランごとの比較を行い、より要件にあった導入サポートを選定することが可能。
ステップ5. 調達時の資料の出力
選定した結果をPDFとして出力したうえで、調達時のエビデンス資料として利用することができます(調達モードをオンにする必要があります)。絞り込んだ事業者が1者の場合には特命随意契約、複数者の場合には指名競争入札とする根拠として、その後の手続きを進めることができます。迅速かつ公平にソフトウェアを選定することができます。
ワンポイント
- 調達モードをオンにすることで、恣意的な選定ができなくなる。
- 検索結果は業者選定のエビデンスとして活用できる。(地方自治法234条の技術的助言に基づく)
おわりに 〜編集部より〜
令和7年度の調達事務から活用できるDMPの最新情報について伺いました。DMPを業務に取り入れることで、調達の効率化が大きく進み、時間とコストの節約が見込まれます。また、職員の皆様がDMPを活用することで、より透明性が高く、公正な調達プロセスの実現が期待されます。この機会にDMPを活用して、業務効率の向上を図ることをご検討ください。
DMPに関するお問い合わせ先
デジタル庁 戦略・組織グループDMP担当
https://www.dmp-official.digital.go.jp/inquiry/?destination=governmentHome
行政向けご利用ガイド
DMPを利用するための手順や利用マニュアルなどをご確認いただけます。
https://www.dmp-official.digital.go.jp/userguide/government/
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