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2019.08.26 Mon

デジタルガバメントとは?デジタルガバメント実行計画を分かりやすく徹底解説

デジタルガバメントとは、行政のIT・デジタル化を進める政府の取り組みを意味します。日本のデジタルガバメントが目指すものは行政サービスの100%電子化で、その考え方は、ワンスオンリー、ワンストップなどのデジタルガバメント三原則にあらわれています。2018年の閣僚会議などを経てデジタルガバメント実行計画が策定され、政府全体でのデジタルガバメントを実現する動きは加速しています。

この記事では、日本のデジタルガバメントの特徴や、海外のデジタルガバメントの事例、各省庁でのデジタルガバメントの取り組みについて解説します。

デジタルガバメントとは?デジタルガバメント実行計画を分かりやすく徹底解説

デジタルガバメントとは

デジタルガバメントとは、行政サービスの100%電子化を目指す政府の施策です。行政のあり方そのものをデジタル前提で見直すデジタルガバメントを実現するために、政府は2000年頃から様々な取り組みを進めてきました。

2017年には、行政の様々な手続きをデジタル化する目的で「デジタル・ガバメント推進方針」が策定され、2019年3月にはデジタルファースト法案が閣議決定。そしていよいよ2019年にはデジタルファースト法(デジタル手続法)が成立し、本格的な行政電子化に向けた取り組みが進んでいるという背景があります。

デジタル・ガバメント実行計画とは

日本のデジタルガバメントの1つの転機が、デジタルガバメント実行計画です。デジタルガバメント実行計画は「デジタル・ガバメント推進方針」を押し進めるための具体的な計画のことです。デジタルガバメント推進方針は、2017年に行政の様々な手続きをデジタル化する目的で策定された計画のことを言います。この計画にはまさに日本が目指すデジタルガバメントの姿がまとめられており、2018年1月から2023年3月までの期間を対象としています。2017年以降の計画策定を起点として、デジタルガバメントを実現に向けて様々な施策が動き始めたのです。

デジタルガバメント実行計画の6つの特徴

デジタル・ガバメント実行計画には、行政がデジタル化を進めていくうえで重要な、原則や考え方が記載されています。

1. 3原則に則った徹底したデジタル化推進

デジタルガバメント実行計画の前提となる3原則が「デジタルファースト、ワンスオンリー、コネクテッド・ワンストップ」です。実行計画では、この3原則に則って行政サービスの100%デジタル化を目指しています。

デジタルファースト

デジタルファーストとは、「行政手続きをデジタルだけで完結させる」という考え方です。個々の手続きを、紙などを経由せずにすべて一貫してデジタルで完結させます。

ワンスオンリー

ワンスオンリーとは、「申請者に同一情報の提供を求めない」という考え方です。バックオフィスのデータを連携させることにより、一度提出した情報を再度提出する必要がなくなります。

コネクテッド・ワンストップ

コネクテッド・ワンストップとは、「手続きは1回だけ」という考え方です。民間サービスとの連携も含め、どこでも・一か所でできるサービスを実現します。

参考:行政手続・民間取引 IT 化に向けたアクションプラン中間整理 P15 

2. society5.0の実現

もう1つ、デジタルガバメント実行計画の前提となるのが、Society5.0(ソサエティ5.0)という考え方です。Society5.0とは、先端技術を取り入れることによるイノベーションを通じて、様々な社会課題を解決しようとする動きです。

その前提には、すべての人とモノがつながり、知識や情報が共有され、必要な時に必要な情報が共有されるという考え方があります。つまり、デジタルガバメントで目指すのは、単に行政手続きがインターネットで行えることにとどまらず、最新IT技術を持つ民間サービスとの連携が前提になっていると言えます。

内閣府「Society5.0とは

3. デザイン思考を重視

デジタルガバメント実行計画では、利用者の利便性向上のためにデザイン思考を重視しています。具体的には、サービス設計12か条を定めることで、行政サービスの使いやすさを向上させようとしているのです。

「サービス設計12か条」
利用者が「すぐに使えて」、「簡単で」、「便利」なサービスを追求するのがサービス設計12か条の目的。

第1条 利用者のニーズから出発する
第2条 事実を詳細に把握する
第3条 エンドツーエンドで考える
第4条 全ての関係者に気を配る
第5条 サービスはシンプルにする
第6条 デジタル技術を活用し、サービスの価値を高める
第7条 利用者の日常体験に溶け込む
第8条 自分で作りすぎない
第9条 オープンにサービスを作る
第10条 何度も繰り返す
第11条 一遍にやらず、一貫してやる
第12条 システムではなくサービスを作る

参考:デジタル・ガバメント実行計画

4. アジャイル型の開発の推進

デジタルガバメント実行計画では、アジャイル型の設計手法を推奨しています。アジャイル型とは、すべてを設計してから一気に作るという従来型の開発手法(ウォーターフォール型)とは逆に、開発しながら最適な形に作り変えていくという方法を意味します。「サービス設計12か条」でも、一遍にやらず、一貫してやる(第11条)の記載があるように、軌道修正を行いながらシステム化を進めていくことを目指しているのです。

5.  AI・RPAによる業務効率化の推進

デジタルガバメント実行計画では、デジタル化を行うためにAIやRPAなどの新技術を積極的に導入すべきだと定めています。「サービス設計12か条」では、デジタル技術を活用し、サービスの価値を高める(第6条)の記載がある通り、業務を見直して電子化することが推進されているのです。人口減少が年々進む中、人材を本来注力するべき業務に充てるためにも、業務を効率的にすることが求められています。

6.  API整備やオープンデータの推進

民間サービスや既存の情報システムの再利用も、重視されています。新たに自前でシステムのスクラッチ開発を行うのではなく、民間と連携しながら進めていく方法が進められているのです。「サービス設計12か条」では、自分で作りすぎない(第8条)の記載があり、行政自らがシステムを構築するのではなく、API連携を行うことが求められています。

※API連携とは、API(アプリケーションプログラムインターフェイス)を利用して、行政システムを外部の民間サービスと連携したり、民間サービスから情報を呼び出すこと。

デジタルガバメント中長期計画の策定

各省庁でも、デジタルガバメントを進めるにあたり、それぞれ中長期計画を策定しています。
例えば厚生労働省では、手続き件数が極めて少ない手続きの見直しをはじめ、電子申請の促進のための具体的な取り組みを検討しています。各省庁で具体的な計画に落とし込み、2022年度までの期間に様々な施策を実行する計画となっています。

参考:各府省デジタル・ガバメント中長期計画の決定について
上記ページにおいて、総務省、文部科学省、金融庁などにおけるデジタル化推進の計画を定めた資料が公開されている。

参考:デジタルガバメントの先進事例

海外のデジタルガバメントの事例としては、シンガポール、イギリス、エストニア、デンマークなどが注目されています。

1.シンガポールのデジタルガバメント

1980年代から本格的な電子政府を目指して取り組みを行なってきたシンガポールの特徴は、「GovTech」という政府の技術機関を設立、「MyInfo」という手続きプラットフォームをリリースしたことです。電子行政の先進国だと言えるシンガポールでは、国内外から優秀な技術者を採用し、内部から抜本的な電子化を行なっているのです。

2.イギリスのデジタルガバメント

イギリスのデジタルガバメントの特徴は、1990年代に一度苦戦を強いられ、2000年以降は仕組みを再構築しているという点です。2011年には、内閣直轄の電子政府化推進組織である「GDS(Government Digital Service)」を組織し、本格的な電子国家に向けた取り組みを行なっています。

3.エストニアのデジタルガバメント

エストニアは電子国家とも呼ばれるほど、非常に先進的なデジタルガバメント先進国家です。2002年には国民ID番号が記録された電子IDカードが配布され、様々な行政手続きをインターネット上で行うことができます。

4.デンマークのデジタルガバメント

デンマークは、EUで最もデジタル化が進んでいるという特徴があります。日本と同じ2000年以降、電子国家を目指して施策を行なってきたデンマークは、多数の民間新技術を取り入れ、世界的な電子国家として認識されているのです。

まとめ

デジタルガバメントとは何かをはじめ、「デジタル・ガバメント実行計画」の概要や特徴、世界のデジタルガバメント国家についてご紹介しました。

デジタル・ガバメント実行計画は、2018年1月から2023年3月までを対象とした計画で、各省庁を中心に、行政サービスの100%デジタル化に向けて歩みを進めています。特に、デザイン思考や民間企業の最新技術を取り入れるべきという考え方は、すべてが実現すれば日本の行政に非常に大きな影響をもたらすものだと言うことができます。

グラファー Govtech Trends編集部

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