人口:
197.34万人(令和2年国勢調査)
導入サービス:
Graffer 手続きガイド
Graffer スマート申請

「特定建設作業実施届け出」のオンライン化に取り組む札幌市環境局。「Graffer スマート申請」を導入したことを機に、事業者や職員の工数削減を実現しました。
「特定建設作業実施届け出」とは
騒音(振動)規制法に規定されている特定建設作業を実施する場合に必要となる届け出です。
長尾:以前から「事業者と職員の負担を軽減できないか」と課題を感じていたところ、改革推進室が全庁に行ったデジタル化の呼びかけをきっかけに、環境局でもオンライン申請が活用できるのではないかと考えました。
長尾:事業者からは、「役所に行かなくてよいのが楽だった」などの声をいただきました。想定していたよりも、良い反応が多く届いたと感じています。

環境局 環境都市推進部 環境対策課 騒音対策担当係長 長尾 和俊氏
光崎:オンライン申請を導入したことによって、事業者が窓口で提出する際にかかっていた計1〜3時間をゼロにできたことが、大きく影響しているのではないかと思います。
光崎:窓口の場合には、市役所までの移動で往復30分〜2時間、市役所の駐車場での待ち時間で30分〜1時間、窓口での手続きに約15分かかっていました。市外の事業者の場合には、移動のためさらに時間がかかっていました。
環境局 環境都市推進部 環境対策課 係員 光崎 昌輝氏
光崎:月100件ほどの申請があり、そのうち30件ほどがオンラインに移行したため、1件で2時間かかると仮定すると、計算上、毎月約60時間分、年間720時間分の事業者のコスト削減につながった計算です。
オンライン化によって、毎月約60時間分の事業者のコスト削減につながった。
長尾:オンライン申請を導入する前は、「窓口:メールが7:3」の割合でした。オンライン申請を導入したことによって、この割合が「窓口:メール:オンラインが4:3:3」に変化しました。
札幌市では、「特定建設作業実施届け出」を、オンライン・窓口・メールの3つの方法で受け付けている。オンラインが増えたことによって、これまで窓口で届け出を行っていた事業者が、オンライン申請を利用するようになった様子がうかがえる。
長尾:想定より多い利用数でした。事業者には若い層の方も多いため、オンライン申請が比較的抵抗なく受け入れられたのではないかと思います。
長尾:オンライン申請の処理にかかる時間は約10分と、他の方法と比べて短時間です。メールの場合には約15〜20分、窓口の場合には約10〜15分ほどかかります。
オンライン申請の処理にかかる時間は、窓口やメールと比較して短い。
長尾:職員からは最初は「難しそう、面倒そう」という声もありましたが、実際にやってみると「思ったより簡単だった」という反応に変わりました。
鳴海:私自身実務を担って感じたのは、受け付け方法が増えた分、理解しないといけない業務は一時的に増えましたが、長期的にみると業務量自体が増えた印象はないということです。1件あたりの処理時間はむしろオンラインのほうが短いため、トータルで考えると業務負荷は軽減されました。
また、オンライン申請の場合には、業務が中断されることがないというメリットも感じています。窓口の場合には、どうしても業務を中断して対応する必要があるため、そういった観点でも職員にとってメリットがあると考えています。
環境局 環境都市推進部 環境対策課 係員 鳴海 翔太氏
光崎:建設作業が増加する3〜5月になる前の、1月に運用を開始したことによって、徐々に慣れる期間を設けられたのは、よかった点だと思います。
他には、職員用のマニュアルを用意しており、不明点があった場合にはすぐに確認できるようにしています。
長尾:オンラインの申請が届くと、受け付け担当者に通知が届きます。当市では、区ごとに担当者が割り振られているので、受け付け担当者が、該当する区の担当者に申請が届いたことを知らせます。
その後、区の担当者が、タイミングをはかって審査を行います。審査についてはPC上で行っても、印刷して行っても、本人のやりやすい方法でできるようにしています。
長尾:PC上で審査する方がやりやすい職員は、審査項目をPC上で確認し、ステータスを「完了」に変更すれば審査は完了です。
印刷して審査する方がやりやすい職員は、届出書を印刷したうえで審査します。CSVデータを出力してExcelに落とし込むと従来の届出書の形で出力されるようにしているので、簡単です。その後、システム上でステータスを「完了」に変更すれば審査業務は完了です。
オンライン申請で受け付けた届け出は、各区の担当が処理を行う。ステータスを「完了」にすると、事業者に自動でメール通知が届く。
長尾:メールでの届け出と比較すると、オンライン申請には四つのメリットがあります。
一つ目のメリットは、事業者が容量制限を意識しなくてもよい点です。「特定建設作業実施届け出」は添付書類を必要とするのですが、メールの場合には、メールサーバーの容量の関係から、メール1通あたり4MBに制限されます。そのため、事業者が送信する際に、はじかれてしまうことも想定されます。「Graffer スマート申請」の場合には、1申請あたり100MBまで送信できるため、「届け出をしたはずなのに、容量制限のせいで届かない」ということも起こりません。
二つ目のメリットは、一部の業務が不要になる点です。メールでの届け出の場合、提出された届出書を印刷して審査した後、届出書に押印したうえでPDF化し、メールに添付して事業者に返信していました。一方、オンライン申請では、これらの業務は届出書写の返送を希望される場合を除いて必要なく、システム上でステータスを「完了」に変更するだけです。副本やPDFデータを用意する必要もありません。
三つ目のメリットは、処理の進捗状況が、システム上から簡単に確認できる点です。メールで受け付けた届け出は、処理がどこまで進んでいるのかを手動で管理する必要があるのですが、オンライン申請で受け付けた届け出は、システムのステータスを見れば進捗状況が瞬時に判別できます。
四つ目のメリットは、審査後に内部システムに登録する際の手間が削減できる点です。オンライン申請で受け付けた申請データはCSVで出力できるため、1件1件を手作業で入力するよりも簡単に登録できます。
光崎:できるだけ項目数を削減し、シンプルな申請フォームになるように工夫しました。
例えば、申請フォームを作り始めた当初は、項目数が約70あったのですが、最終的に約50に削減しました。
光崎:改革推進室にアドバイスを求めたことが改善のきっかけとなりました。当初は、法律で決められた項目を一つずつ申請フォームに展開していたのですが、改革推進室から「類似の項目ごとにまとめたほうがよいのでは」「住所などの重複項目を削減したほうがよいのでは」など、事業者目線のアイデアをもらいました。
事業者の目線に立って項目を見直したことによって、最終的に約3割の項目を削減した。
光崎:項目を複数ページに分ける工夫も行いました。1ページに縦に50項目を並べるのではなく、いくつかのステップに分割。事業者が進捗状況を理解しやすいようにしました。
事業者が理解しやすいよう、6ページに分けて申請フォームを作成した。
長尾:特別な広報を行ったという認識はありませんが、思い当たることは全部やりました。例えば、建築関係団体など、関係団体への通知文。他には、市のホームページへの掲載、リーフレットを作成および配布。市が行う工事の発注もあるため、庁内各部署への案内も行いました。
長尾:窓口やメールで届け出をした事業者に対しても、積極的に案内を行いました。例えば、メールで申請してきた事業者に対しては、返信メールでオンライン申請の案内を行いました。
また、窓口にはチラシを配置し、オンライン申請ができるようになったことを周知しました。窓口では「オンライン申請ができるようになったことを知らなかった」という事業者の声も耳にするため、一定の効果があると感じています。
窓口にチラシを配置。事業者との接点を逃さず、丁寧に広報を行っている。
光崎:改革推進室は、庁内にいる心強いアドバイザーです。もし改革推進室がいなければ、現在の形の申請フォームは完成していなかったと思います。私自身、オンライン申請に取り組むのははじめてだったため、「こうしたほうがよいのでは」という事業者目線のアドバイスは、どれも納得のいくものばかりでした。
阿部:改革推進室は、制度を深く知らない、実務を担っていないからこそ、一市民、一事業者の目線でアドバイスできるのが強みだと考えています。利用者の目線に立ち、利用者が本当に使いやすいオンライン申請にするための助言をするように意識しています。
左から、総務局 改革推進室 推進課 推進担当係長 阿部 淳二氏、係員 横山 絵美氏、係員 川上 翔大氏
阿部:まずは、実務を担う現場の職員がオンライン化に興味を持ってもらえるように、庁内HPを使った全庁向けの周知を行っています。「自分たちにもできる」ことを実感してもらうことを大切にしています。ただ、それだけだとなかなか進まないのも事実なので、役職者会議を使って管理職への周知もしています。
長尾:職員の間でオンライン申請が話題に上がることはあります。実際、口コミのような感じで「『Graffer スマート申請』ってどうなの」などと、他の課の職員に聞かれて紹介することもあります。
長尾:例えば、「デジタル化をしても業務量が増えるのではないか」や、「実際使ってみてどうか」というような質問を受けることがあります。
職員としては、やはり実際の生の声を聞きたいようで、紹介すると「思ったより使えそうだね」という反応が多いです。
阿部:やらされる仕事になってしまうと、導入することが目的になってしまい、市民や事業者にとって使いにくいオンライン申請になってしまう可能性が高くなります。オンライン申請は導入して終わりではなく、市民や事業者に使ってもらってはじめて価値を発揮するので、担当課自らに、「やってみたい」と前向きに取り組んでもらうことが大切だと思います。今回の環境局の事例のような成功体験を庁内で広めて、最終的に市民や事業者にメリットのある行政サービスにしていきたいと考えています。
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株式会社グラファー
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