国内事例
松江市、職員研修の申し込みをオンライン化。県との共同利用を通じて「全員がスムーズに活用できる仕組み」を構築
2025.08.26 Tue
島根県と県内19市町村が連携して取り組む、電子申請システムの共同利用に参加する松江市。取り組みの一環として人事課では、職員向け研修の申し込み等に「Graffer スマート申請」を導入。職員の業務を効率化しています。
職員向け研修の申し込みや事後のフィードバックの回収に「Graffer スマート申請」を活用
——人事課ではどのような業務にオンライン申請を活用していますか。
上:職員向け研修や、学生向けのガイダンス・仕事体験プログラムに関して、「Graffer スマート申請」を活用しています。申し込みや事後のフィードバック回収をオンライン化することで、業務の効率化につなげています。

毎月数百から、多いときで数千件の利用実績がある。
——申請フォームはどのように作成していますか。
上:ほとんどの場合、過去に作成した申請フォームをコピーし、必要な部分だけを修正して新しいフォームを作成しています。例えば、研修に関するフォームは研修名の修正のみで新規のフォームが完成します。
また、ガイダンスと仕事体験など申請内容が若干異なるものについては、先に作成している申請フォームをコピーし、内容を修正して新しい申請フォームを作成することができます。さらに、人事課で作成したフォームをエクスポートして他課に提供することもできます。
そのため、簡単なものなら数分で準備は完了です。さらに、申し込み時の内容やアンケートの回答は、CSV形式で出力したうえで、集計や報告用に加工して活用しています。
過去の申請フォームをコピーして、スピーディに準備を行っている。
誰でも簡単に使える操作性を評価
——旧システムと比較して、どのようなメリットを感じていますか。
小川:以前のシステムは操作が複雑で、ある程度システムに詳しい、いわば「職人」のような職員がいないと運用が難しい状況でした。そのため、業務が特定の人に集中してしまう傾向がありました。一方「Graffer スマート申請」は直感的で、誰でも簡単に操作できる点にメリットを感じています。
——実際の運用面では、どのような変化がありましたか。
上:現在は、人事課の全員が申請フォームを作成できる状況です。操作に対する心理的なハードルが下がったことで、業務の属人化が解消され、自然と業務分担が進むようになっています。

人事課 人財開発係長 上 麻衣氏
共同利用によってコスト面でも大きな効果を実感
——松江市で「Graffer スマート申請」を導入したきっかけは何だったのでしょうか。
小川:きっかけは、島根県と19市町村が連携して進めている、電子申請システムの共同調達です。この取り組みは、県内の各自治体がシステムを共同で調達し、利用することで、住民サービスの質を高めると同時に、職員の事務負担やコストを抑えることを目的としたものです。

デジタル戦略課 課長 小川 知氏
——共同利用に参加したことで、どのようなメリットを感じていますか。
小川:最大のメリットは、やはりコスト面です。単独で契約するよりも有利な条件でサービスを利用できており、あわせて調達にかかる事務負担も軽減されています。
川津:また、住民の立場から見ても、県と県内市町村が同じオンライン申請サービスを使用することで、どの市町村でも似たような操作感で手続きができるため、利用時の戸惑いが少なく、結果として利便性の高いサービスにつながっているのではないかと考えています。

デジタル戦略課 DX推進係 主事 川津 葵氏
今後は庁内全体へと取り組みを広げ、さらなる効率化とデジタル化を推進
——今後は、どのような取り組みを進めていきますか。
上:今回の取り組みが、庁内での業務の見直しや効率化を考えるひとつの参考になればと思います。職員自身がオンライン申請に触れる機会が増えることで、デジタル化をより身近なものとして捉える意識が少しずつ浸透していくことを期待しています。今後も、人事課として情報共有や支援を行いながら、こうした取り組みを広げていきたいと考えています。
——デジタル戦略課としては、今後どのように庁内の取り組みを支援していく予定ですか。
小川:今回の人事課のような事例を庁内で積極的に共有し、他の課にも取り組みが一層広がるよう支援していきます。一方で、当市を含め、多くの自治体では職員の採用が年々難しくなってきており、限られた人員で行政サービスを維持・向上させていくことが求められています。こうした課題に対応するためにも、今回のような取り組みをきっかけに、職員一人ひとりの負担を軽減しながらも、市民サービスの質を高め、働き方改革とサービス向上の両立を目指せるような仕組みを構築していきたいと考えています。
取材・写真:柏野 幸大 / 取材・文:東 真希(Govtech Trends編集部)
(※文中の敬称略。所属や氏名、インタビュー内容は取材当時のものです。)
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グラファー Govtech Trends編集部
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