毎日発見と驚きが絶えない生成AI事業。今後のミッションは「AX人材」の輩出

こんにちは。HRの畑中です。

今回は、「生成AIの活用を通じた企業変革の実現」をミッションとして掲げているEnterprise事業推進部のCustomer Successチーム(以降CSチーム)のマネージャーを務める西村に話を聞きます。

西村が感じる働きがい、変化が激しい生成AI分野の事業に携わる上で大事にしていることなどを通して、グラファーのEnterprise事業推進部の働き方や可能性について紹介します。

西村 祐紀
Enterprise事業推進部 マネージャー

<プロフィール>
行政機関にて政策立案・調査分析・Webサービス運用業務等の経験を経て現職。
株式会社グラファーでは複数の自治体、民間企業とのデジタル化プロジェクトに参画し、現在は生成AIサービスの導入・活用プロジェクトを推進。多くの企業で生成AI活用に適した業務の選定や運用設計、プロンプトエンジニアリング、研修やワークショップを行い、数千人規模での利活用を支援している。

AI活用のはじめの一歩から伴走する生成AI事業

–事業内容を教えてください。

当社では、生成AIの活用を通して企業変革を実現するために複数のソリューションをご提供しています。1つ目は法人向け生成AIプラットフォーム「Graffer AI Studio」。2つ目は生成AIの活用目的設定、課題分析、ゴール設定を実施して活用・定着までをサポートする「生成AI活用伴走支援」。3つ目は中長期的に生成AIを正しく活用できるようになるための研修や人材育成のコンテンツを提供する「生成AI研修・人材育成」。

詳しくは当社のサービス紹介ページも見てみてください。
https://graffer.jp/ai-solution 

–業務内容を教えてください。

CSチームに所属し、私自身もCS業務を担当しつつ、マネージャーとしてメンバーへの支援を行っています。

CSといえば、SaaS企業の中で「THE MODEL」と呼ばれる体制のうち「活用支援」にフォーカスしたロールと認知されていることが多いと思います。当社のCSはそれとは違い、次のような業務を1人のCSが対応します。

  • 商談対応

  • ソリューション提案

  • 契約手続き対応

  • 生成AI導入プロジェクト策定、推進支援

  • 生成AI技術に関する知識、情報提供

  • 開発チームへのフィードバック

分業をベースとした「THE MODEL」とは異なり、1社に対して1人のCSが一貫して担当します。お客様からみれば、初対面から導入、継続活用までの流れの中で同じ担当者が変わらず付いてくれるということになります。

また、顧客との対話やCS業務を通して得た気づきがあれば開発チームへ情報提供を行います。

–企業が抱えている課題はどのようなものですか。

「経営層として、今後のビジネスにおける生成AIの重要性は理解している。着手すべき必要性も納得している。しかし、何をしたらいいのかわからない。何から始めればいいのかわからない」

このような状況のお客様が多いです。一部の社員やDX・IT推進部が導入を推めるも途中で頓挫、挫折してしまうケースが少なくないと聞きます。

それに対して、当社は法人向け生成AIプラットフォームをツールとして提供しつつ、企業変革を実現するためのプロセスを伴走支援しています。

–過去導入事例を教えてください。

従業員数5000人を超える大手企業のケースをひとつ紹介します。

導入前、同社では「将来的に内製化を実現できる生成AIツールが見つからないこと」「自社で生成AIシステムを開発したものの、十分に利用・定着ができなかったこと」に対する対応方法に悩んでいました。これだけトレンドの変化が激しい業界のため、そもそも内製化を目指すべきかどうかも迷っている様子でした。

まず、ツール選定の点ではこれまで自治体に対してサービスを提供していてセキュリティ面で信頼性が高く、機能面でも要件を満たしている当社のツールが最適な選択肢であると判断されました。次に、全社導入までの推進方法に関しても当社CSが伴走支援することでご安心いただけたと聞いています。実際に導入を決めた際には、「生成AI技術を導入してやりたいこと、実現したいことを多角的に話した。こちらの話を鵜呑みにせず、最適な意見・提案をくれたのがよかった」「生成AIという変化の激しい領域において、地に足の付いた伴走支援を提供していると感じた」という声もいただいています。

導入する際には、まずはお客様の社内に分科会を発足していただきました。マーケティング、営業、人事、広報など…各部署から選抜して、集まったメンバーで他社ユースケースを学ぶ勉強会を開催しました。その後、「自社だったら、どんなことができるか?」と考えてもらい、小さくプロジェクト化。実際にやってみてうまくいった、うまくいかなかったなどをまた分科会で話し合いました。知識や情報が足りないケース、生成AIに向いていない業務を進めようとしてしまっているケースがあれば、当社から助言を提供します。

最終的には、4ヶ月間ほどで全社導入を達成できました。マーケティング部ではアンケート作成・分析業務に生成AIを導入し、広報部でもプレスリリース制作と校正に生成AIを導入。各部署で業務効率化を実現しました。

どの企業にも当てはまる「正解」は無いため、顧客と良いパートナー関係を築き、柔軟に対応しながら最適解を導き出していくスタンスを大事にしています。

–強み・独自性はどのようなところにありますか。

正直にいうと、目に見える特徴やわかりやすい強みは特にないと思います。というのも、あまりに変化が激しい領域のため、今日強みだと思っていたことが明日のアップデートによって強みではなくなってしまうなんてことがあるのです。

それを前提とした上で、当社の独自性は(自社の)行政領域の事業から引き継がれている「現場」に深く入り込んで「一次情報」を集め、その課題を抽象化して捉え直すことで解くべき本質的な課題を特定することを重視するスタンスにあります。

例えば、生成AIを「議事録の作成に使いたい」というニーズは比較的良く聞かれますが、そこですぐに議事録を要約できる機能を作るのではなく、まずは「なぜ議事録の作成が必要なのか」「議事録作成の前後で何が行われているのか」といった現場の一次情報を集める。そしてそこから他社にも通ずる本質的な課題仮説を持ち、それをもとに企業とともにプロダクトを構築、アップデートしていくプロセスを的確に推進できる体制が強みです。

「こんなことできないかな?」と相談をいただければ、次の打ち合わせには当社のプロダクトチームが同席し、モックアップを提示。その場でフィードバックを頂き、柔軟にアレンジしていくというケースがよくあります。

生成AI導入の成功・失敗を分ける「目利き」

–改めてサービス提供の一連の流れを教えてください。

多くの企業は「生成AI技術を全社導入し、業務効率化の目的を達成する」ことをゴールとしています。ここで重要なのが、全社導入までの工程をいくつかのフェーズに分け、着実に推進していくことです。

まず、初期フェーズではすぐに着手せず、下記のような工程で部分導入・ユースケースづくりをするためのプロジェクトを立ち上げます。これを「目利き」と呼びます。過程の中では、当社から生成AIに関する知見や情報を提供したり生成AIに向いていない業務への指摘を行ったりもします。

  • 部分導入する範囲と対象部署を決める

  • 生成AI導入方法を検討し、難易度整理や精査を行う

  • 成果定義、手順、期日を決めてプロジェクト化する

ここで部分導入・ユースケースづくりが成功すると、段階を経て全社導入へ向けたプロジェクトが推進できます。

–初期フェーズ以降はどのように進めるのですか。

初期のフェーズは比較的リテラシーや関心の高い方が参加します。その後、導入フェーズが進むにつれて、リテラシーや関心の低い方も加わります。この時、どんな利用者でも日常的に活用できる粒度で導入したりテンプレートを作成したりします。場合によっては、社内エバンジェリストを育成するケースもあります。

–サービス提供、CS工程の流れはどのように築いてこられたのですか。

最初はツール(=「Graffer AI Studio」)だけを提供していました。プロダクトには自信があったものの、ユーザーからは「使えない」という評価を受けました。これは「プロダクトが不十分」というよりも「使いこなせない。活用しきれない」という声でした。それから伴走支援をするようになります。

伴走支援を開始した直後は、最初から大きな業務課題にアプローチをして大きなインパクトを生み出そうと取り組んだのですがうまくいきませんでした…。当社社員とお客様との間の知識差によってコミュニケーションがうまく取れなかったり、プロジェクトを進める中で失敗が起こるとお客様のモチベーションが下がってしまったり。そうした経験を経て、企業変革実現までの順序を丁寧に整理しながら支援をするようになりました。何度もPDCAを繰り返し、今の形に至っています。

生成AIは汎用性が高すぎて使い手のリテラシーを求められるため、伴走支援サービスは必要不可欠だと思います。

–生成AI事業にかかわる中で、どんな時にやりがい・面白みを感じますか。

生成AIは毎日触ると毎日発見があるんです。「こんなことできるかな?」と試すと簡単にできてしまうことも多く、びっくりします。仕事は成果や働きがいを実感できるまで時間がかかるものが多いですが、生成AIを相手にした仕事では毎日実感を得られます。

また、生成AIはあらゆる場面に活用できるため、この仕事をしているとさまざまな業種・業界のお客様の話を聞く機会を得られます。自分が経験したことがない仕事の裏側を聞くことも面白いですし、お客様がまだ知らない可能性・価値を見出していこうとする過程、実際にそれが実現した時にやりがいを感じています。

生成AIはまだまだ大きなポテンシャルを秘めていて、引き出しきれていないと思っています。

企業変革の鍵を握るのは「AX人材」の育成

–入社後、自身の成長や変化を実感した場面はありましたか。

私は2021年に入社し、最初はコーポレート部に配属されました。異動後、事業開発を経験し、生成AIを扱う現在の事業部に移りました。

思い出されるのは、Govtech事業の事業開発を担当していた時期のことです。入社して半年くらいで抜擢していただいたのですが、それまで営業経験はなく、業界知識もまだまだ少ない中でした。単純にアウトバウンドセールスをしても全く刺さらず、成果を出すために日々自分で考えて工夫し続けることを求められる状況でした。

この時に重視したのは、まずアクションを起こし続けること。次に一次情報に触れまくること。現場にある生の情報をもとに考えていくと、相手が本当に求めていることが見えてきます。この時期に成果を出せたことで自信がついたと同時に、自ら考える習慣がより一層身についたと思っています。

外部イベントで自身のこれまでについて話す西村(写真一番左)

生成AIを扱う事業部に移ってからは、とにかく自分の手を動かし続けるようにしています。一見すると、生成AIはなんでもできるので何ができるかわかりにくいと言われることがあります。最初は私も同じような印象でした。とにかく触って、いろいろと試していくと生成AIの可能性が見えてどんどん興味が湧いてきました。「こんなこともできるのか!」と驚かされることも多く、自分の手で触って気づいたこと、学んだことをお客様にお伝えしています。

–今後の展望を教えてください。

現時点では、企業の業務改善を実現した実績はありますが、企業変革までは実現しきれていないと思っています。今後お客様の企業変革を実現するためのポイントは「人材」。生成AIを活用して企業変革を起こせる人材をお客様の社内に生み出せるかどうか、という点に着目しています。生成AIを活用したプロジェクトの設計、推進ができる「AX(AI Transformation)人材」の育成に注力していきたいですね。

最終的には、(自分が関わる支援先現場において)生成AIが裏側で動いていると気付けないくらい自然にフィットした開発、実装も実現してみたいです。

グラファーという会社であれば、それが本当に実現できると感じています。

取材・執筆=株式会社ユニーク

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