グラファーには、Graffer Matchingという社内コミュニケーション活性化施策があります。これは、一人のマネージャーが課題解決に動き、それをエンジニアが支える形でメンバーの間で自然と活用が広まっていった施策です。
本記事では、Graffer Matching発案者の牛見、牛見のwillを形にしたエンジニアの猪股のやりとりを通じて、グラファーのカルチャーについてお伝えしたいと思います。
Graffer Matchingとは
特定の時間帯に、Slackからランダムに2人のペアを作成してDMの部屋を作ってくれるDonutというSlackBotを活用し、偶発的なコミュニケーションを発生させる施策。
DonutにZoomやGoogleCalendarを連携させ、マッチした2人の共通の空き時間を推測、雑談用のZoomを作るまでを自動化し、運用している。
インタビューした人
猪股 光(以降 matty)
Product Developer大学卒業後、SaaSのPOSシステムの会社にエンジニアとして入社。同時に、Code for Japanのプロボノとして、NPO団体のIT活用による業務効率化に貢献。2022年6月に株式会社グラファーに参画し、主に「Graffer スマート申請」と「Graffer 窓口予約」の開発に従事。プロダクト開発とお喋りが好き。
インタビューされた人
牛見 暁
Manager, CustomerSuccess大学卒業後、コールセンターでのオペレーターや研修講師、管理職などの経験を経て、toB SaaSのCS立ち上げに責任者として従事。その後もBtoBコミュニティや個人コミュニティの立ち上げ、テックタッチ領域の推進など15年以上に渡ってカスタマーサポート・カスタマーサクセスの領域に携わり、2022年7月に株式会社グラファーに参画。自治体領域のCSは未経験ながら、2023年3月よりカスタマーサクセス組織のマネージャーを担う。
Graffer Matching誕生の背景
matty:実は私、Graffer Matching誕生のきっかけを知らないんですが、そもそもなんでこの取り組みをやろうと思ったんですか?
牛見:2022年の途中くらいからですかね。僕らが入社したちょっと後くらいから、グラファーではイニシアチブ(四半期ごとに設定する、組織目標と連動した個人目標)を立てて、全社でその進捗を共有する取り組みを始めましたよね。

イニシアチブ管理シートのサンプル(2023年11月時点)。
組織の中長期目標(Theme1)達成から逆算した1年後に目指したい姿(Theme2)を定義し、その達成に向けて四半期ごとの個人目標(Initiative Objectives)と、Initiative達成のためのKRを設定する。
進捗は各組織ごとに1週間〜1ヶ月のスパンで振り返り、必要であれば随時KRの軌道修正を行う。
この取り組み自体はすごくいいものだと思ったんですが、自分の隣のチームのメンバーのイニシアチブやその活動を聞いても、正直よくわからなかったんですよね。いくら全社目標からドリルダウンして各組織目標があって、それに連動した形でイニシアチブが設定されているって言っても、その業務に従事していない人から見たらそれがどう会社の売上に貢献するの?とか、どう自分に関係があるのかとかわからない。だから、共有すること自体に意味や価値を感じられなかったし、うまいことワークしてないなーって思っちゃったんですよね。
で、なんでこんなふうに感じるのかなって考えたときに、イニシアチブを達成するまでのプロセスを理解してないからだっていう結論に達したんです。イニシアチブ自体は理解できても、そのプロセスを理解していないから進捗や課題の話を聞いてもよくわからない。逆に、このプロセスを理解できればイニシアチブの理解も深まるし、「こっちのチームでやっているこの施策と一緒に進めたら面白いかも」とか、掛け算で価値を生み出せるんじゃないかと考えていました。
チームや組織で仕事をしていくときに、相互理解ってすごく大事じゃないですか。相互理解が深まることで、自分の仕事の練度も上がるし、相手と協業して何か新しい価値を生み出すみたいな動きにつながりますよね。イニシアチブ達成のために各メンバーが自分のアクションをアップデートしていかないといけないとしたら、それを組織で支えるための”共通認識”をつくるためのHowが足りてないなって思ってたんです。
Graffer Matchingができるまで
matty:”共通認識”をつくるための場として、Graffer Matchingを作りたかったと。
牛見:そうですね。ただ、まずは人となりを知る。やっぱり人となりを知って肩ひじ張らずに話せる関係じゃないと、仕事の深い話をするのって難しいじゃないですか。だから、まずはアイスブレイクの場を作るということを大事にしました。ただ、「はい、雑談してね!」だと人によっては何を話していいかわからないと思うので、トークテーマとして「普段どんな業務をしているのか」「なぜこのイニシアチブをやっているのか」などを話すようにお願いしていました。そのテーマであれば難しく考えずとも話し出せますし、気軽な気持ちでお互いのテーマを深ぼっていくことで、相手のイニシアチブ達成のためのプロセスを理解することにつながるのではと考えていました。
matty:なるほど。そういえば、はじめは全社ではなく、事業推進部(Govech事業のビジネスサイド呼称)だけでスタートしましたよね?
牛見さん:そうですね。とりあえず最初はライトに、スモールに始めたかったんですよね。全社施策としてやるっていうのも考えたんですが、そのための準備とかを考えると、どうしても初速が落ちてしまう。なので、はじめはイニシアチブに対する課題認識を共有できる同事業部の有志のメンバーだけでスタートしました。
matty:スタートしてみてどうでした?そういえば、Graffer MatchingにはDonutっていうslack botを使っていますけど、もともとそういうアイディアを持ってたんですか?
牛見:もともとCS HACKっていうCSコミュニティの取り組みの一貫で、違うツールを使って同じようなことをしていた経験があるんです。だから、Graffer Matchingも最初はDonutを使ってはいませんでした。
matty:たしかに、最初は違うツールでしたね!あれ、なんでDonutに変えたんでしたっけ?
牛見:以前使っていたツールは、任意の2人をマッチはしてくれるけど、日程調整まではしてくれなかったじゃないですか。それは最初から知っていたんですが、日程調整までしてくれるDonutは開発工数がかかるって以前聞いた記憶があって、あえて避けてたんです。スモールに始めたかったので。
ただ、運用開始から3か月経ったくらいでメンバーにアンケートを取ってみたら、案の定「マッチだけしてくれても、どちらから日程調整の依頼をするべきか悩んじゃって実際話すまでに進みづらい」って声がたくさん届いたんですよね。で、やっぱりそうかーってなって。これは本腰入れてDonutを考えるしかないなと思ってmattyに相談したら、そんなに工数もかからなそうだってことがわかったんですよね。そこで、matty協力の元でDonutに切り替えることを決意したんです。
matty:そうだったそうだった。Donutって2人をマッチさせてDMグループを作ってくれるだけじゃなくて、事前にGoogleカレンダーと Zoomを連携させておけば、そのマッチした2人のカレンダーの空いてる日の論理積を取ってくれて、こことこことここ空いてるけどどう?っていう リマインドまで出してくれるんですよね。で、そのボタンを押すとZoomまで発行してくれちゃう。フリープランでそこまでできちゃうから、すごい。
牛見:そうそう。参加できる人数の制限は少しあるけど、もう完璧!ってなって。mattyに協力してもらってDonutに変えてからは、もうほぼノータッチで活用が進んでいる感じですね。
Graffer Matchingの運用をして見えてきた、グラファーのカルチャー

matty:最初に牛見さんからこういうことやりたいんだよねって相談されたとき、正直「ワークするのかな...」って思ったんですよね。「雑談するより仕事させてくれよ」「一行でもコード書かせてくれよ」ってコミュニケーションが出て、あんまりポジティブに使ってもらえないんじゃないかなっていう懸念がありました。でも、結果的にみんなポジティブに使ってくれてますよね。
牛見:正直、はじめはうまくいかなくても良いと思ってました(笑)そのためにスモールで始めたっていうのもあります。ただ、どうしても最初の目的である「隣のチームの◯◯さんは、どんな目的でそのイニシアチブを持っていて、そのために日々何をしているのかを知る」っていうのだけは叶えたくて。最初の3ヶ月でそれさえできればいいと思っていました。それだけでも、すごく価値が出ると信じていたので。それが、蓋を開けてみたらみんなどんどん自発的に使ってくれていて。「Graffer Matchingを起点にしてチームランチ行ってます!」ってリアルの場にまで活用の幅が広がっていて。。嬉しい限りです。
※チームランチ:コミュニケーション活性化を目的として、一人あたり上限2000円で会社がランチ代を補助する制度。同じ人と行けるのは、1ヶ月あたり1回。
matty:ここまで使ってもらえたのって、やっぱり組織文化に依存するところがあるんじゃないかなぁ。
牛見:そうですね。雑談というか、明確なアジェンダのないコミュニケーションをとることにも意味や価値があるってことを、コンセンサスとして持っているメンバーが多いっていうのはあるかもしれません。だからこそ、ここまでワークしたのかなと思います。あとはやっぱり、漠然と「雑談してください」ってお願いするのではなくて、「普段の業務の話をしてください」「イニシアチブの話をしてください」「今は何に重点的に取り組んでいるか教えてください」ってテーマを設定したことが、一番大きかったんじゃないかと思います。これだったら無理せず話せますし、逆に話しづらかったら人に伝えることの練習にもなりますしね。
これからのGraffer Matching
matty:今は毎週月曜の朝9時にメンバーのマッチが走るように設定していますが、Graffer Matchingに参加しているメンバーは一通り1回はマッチしたんじゃないかなと思います。これって、1回マッチしたらもういいやって感じで終わってしまわないですかね?
牛見:一度話したメンバーと2回目にマッチするまでって、けっこう期間が開くんです。短期間で2回マッチした人たちも何人かはいるとは思うけど、少ないと思います。しかも、今は参加するメンバーも増えて、月曜1回のマッチだけじゃマッチしきれない人が出てきたりもしているので、いい感じに同じ人と2度目にマッチするまでには期間が開いている印象です。2ヶ月も経てばお互いにupdateがあるので、今の設定のままでちょうどいいくらいかなと思っています。
matty:今後は、自部門だけじゃなくて他部門とか、組織を横断したマッチングとかもやってみたいですね。
牛見:そうですね。自部門内では会話する機会が増えてきたら、今度は他部門とか、あとは開発メンバーとビジネスメンバーとか、普段関わりが少ないメンバー同士のマッチングを増やしていくのは良いかなと思っています。実際に、ちょっとずつ他部門のメンバーの参加も増えてきていますしね。そういえば、mattyは最初一人だけ事業推進部の中にエンジニアがいる感じでマッチしてたけど、どうでした?(笑)
matty:本当に開発メンバーとして一人だけ入ってましたけど(笑)、業務上絶対話さないだろうなっていうメンバーと話せて、すごく良かったんですよね。Graffer Matchingを通じてオンラインでも会話しましたし、何人かとはチームランチにも行きました。仕事とかイニシアチブの話をする傍ら、在籍歴の長いメンバーからプロダクトの変遷とか聞けたのも面白かったですね。いろんなメンバーに使ってほしいなと思っているので、私としては、Donutのプランをアップグレードすることを考えるくらいには、参加者が増えてほしいなと思っています(笑)

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