グラファーでは「生成AIを企業でどう使えばいいか分からない」「生成AIによる成果が出ない」といった課題に対し伴走型の支援や研修、プロダクト開発を通じて一気通貫で支援します。生成AI活用でお困りの方はお気軽にご相談ください。
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目次
- 生成AIには得意な業務と苦手な業務がある
- 企業が生成AIの得意・不得意を把握するメリット
- 得意な業務
- 生成AIが得意な業務の一例
- 苦手な業務
- 生成AIが苦手な業務の一例
- 苦手な業務を解消できるケースもある
- 生成AIの得意分野と苦手分野の一覧
- まとめ:得意・不得意を理解して自社の革新につなげる
生成AIには得意な業務と苦手な業務がある
これから生成AIを本格的に導入しようと考えている企業にとって重要なのが、生成AIはすべての業務に活用できるわけではないということです。
当社でも実際に企業から「こういうことがやりたい」という声をお聞きしますが、その中には生成AIの苦手とする領域が含まれていることが少なくありません。
企業が生成AIの得意・不得意を把握するメリット
企業が生成AIの得意・不得意を熟知することには、大きなメリットがあります。
はじめに、生成AIを活用したビジネス変革に取り組みやすくなるというメリットです。生成AIは大きな可能性を持っているものの、何にでも有効なわけではありません。その強みと弱みを把握することで、自社のビジネスに取り入れやすくなります。
次に、生成AIに対する指示(プロンプト)の精度を効率的に向上できるというメリットです。すでに生成AIを日常的に使っている皆様の中には「プロンプトで指示をしてもその通りに動かない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。その要因の1つが、生成AIが苦手とする領域や方法で指示を行っていることです。
例えば以下のように、生成AIの得意領域・不得意領域で、同じようなプロンプトの改良を行っても、得られる成果は異なります。
(1)生成AIの不得意な領域でプロンプトを改善する場合
工夫しても思うような効果を得られない場合が多い。
(2)生成AIの得意な領域でプロンプトを改善する場合
プロンプトの精度を効率的に向上させることができる。
このような特徴を理解しておくことで、生成AIの苦手分野で、無用な苦労をしないで済むのです。
得意な業務
では、生成AIはどのような業務を得意としているのかというと、「論理的な思考を伴うような業務」は得意とする傾向があります。
例えば、Googleの生成AIモデルである「Gemini」が公開している性能評価によると、ベンチマーク評価が人間のエキスパートの基準である90%前後(※1)を達成しているのは、以下の領域です。
MMLU(※2)(MMLU Representation of questions in 57 subjects) | 90% |
複数段階の推論を必要とする難解なタスクの多様なセット(Big-Bench Hard Diverse set of challenging tasks requiring multi-step reasoning) | 83.60% |
読解力のF1スコア(DROP Reading comprehension (F1 Score)) | 82.40% |
日常的なタスクのための常識的な推論(HellaSwag Common sense reasoning for everyday tasks) | 87.80% |
小学校の数学の問題を含む基本的な算術操作(GSM8K Basic arithmetic manipulations (incl. Grade School math problems)) | 94.40% |
自然画像上のOCR(TextVQA OCR on natural images) | 82.30% |
文書理解(DocVQA Document understanding) | 90.90% |
(※1)Human expertの基準は89.8%。この基準を超えると生成AIの性能は人間のエキスパート以上であると評価される。参考「Welcome to the Gemini era」
(※2)MMLUは57科目(STEM、人文科学、その他を含む)によって評価される生成AIのベンチマークテストです。
出典:「Build with Germini」
実際の業務に当てはめると、以下のような業務は生成AIが得意な業務だと言えるでしょう。
生成AIが得意な業務の一例
特徴:物事の法則的なつながりに基づいて回答を作成できるタスクや、生成AIが持つ広範なデータベースから新しい組み合わせを提案できるタスク。
・文章や提案書の目次作成(例:○○を目的とした資料の目次を作成してください)
・要約(例:この文章を要約してください)
・翻訳(例:この文章を英語に翻訳してください)
・言い換え(例:この文章の内容は変えずに別の表現に変更してください)
・アイデア出し(例:この記事のタイトルのアイデアを出してください)
・壁打ち(例:○○を達成するために○○を行おうと思っていますが、デメリットはありますか)
・プログラミング(例:○○の関数を作成してください)
・分析業務(例:アンケートの文章データをポジティブとネガティブに分類してください)
苦手な業務
一方で、不向きな業務としては、「高度な数学を必要とする業務」や「最新の情報・一般公開されていない情報に基づいた業務」が挙げられます。
例えば、Geminiの性能評価ではベンチマークが60%を下回るものとして、以下のようなものが挙げられます。
代数、幾何学、予備計算などを含む難解な数学問題(MATH Challenging math problems (incl. algebra, geometry, pre-calculus, and others)) | 53.2% |
複数の学問領域をまたいだ大学レベルの推論問題(MMMU Multi-discipline college-level reasoning problems) | 59.4% |
グラフや図形、チャートなどの視覚的な数学的数論(MathVista Mathematical reasoning in visual contexts) | 53.0% |
このように、高度な数学を必要とする業務は生成AIの苦手とする業務です。ただし「小学校の数学の問題を含む基本的な算術操作」については94.4%を達成しているため、数学全般が苦手というわけではありません。より複雑な数学的概念や高度な数学を必要とするタスクではその能力が限定されるため、苦手とする領域が存在することを把握しておくことが必要です。
もう1点、生成AIは最新の情報に基づいたアウトプットができない点にも考慮が必要です。生成AIは数カ月以上前のデータをもとに学習を行っています。また、学習データの詳細は明らかにされていないものの、一般的に入手できるデータを学習していると言われていることから、企業などが保有する一般公開されていないデータは学習の対象外となっています。
実際の業務に当てはめると、以下のように高度な数学的知識や、最新情報・固有情報を求めるタスクは、生成AIの苦手な業務だと言えるでしょう。
生成AIが苦手な業務の一例
特徴:最新情報の検索や、高度な数学を必要とするタスク。
・最新の情報の検索(例:○○の現社長は誰ですか)
・非公開の情報をもとにした業務(例:○○にログインしてユーザーの疑問に回答してください)
・将来の予測(例:○○についてこれからどうなりますか)
・高度な数学(例:高校、大学レベルの代数や幾何学など)
苦手な業務を解消できるケースもある
このように生成AIが苦手な業務に取り組む場合にも、全ての業務が難しいわけではなく、工夫すれば実現できるものも存在します。
例えば、生成AIが把握していない情報(個人の経験・会社の内部情報など)を知識として補ったうえで論理的に思考させることで、十分な回答を得ることができるケースもあります。このようなケースで役に立つのがRAG(検索拡張生成)の技術です。RAGを用いることによって、自社の情報をベースにした生成を行うこともできます
例えば、「総務部門が社員からの問い合わせに回答する」といった業務の場合、GPTなどLLM自体は非公開情報となる社内の制約やルールを把握していないため、適切な回答を行うことはできません。しかしRAGを用いれば、「有給休暇はいつまでに取得する必要がありますか?」といった社員からの問い合わせに対して、就業規則をもとに適切な回答を行うことが可能となります。

さらに2026年1月現在、苦手分野とされているものは以下のような機能を組み合わせて利用することで補うことが可能です。
高度な数学:Pythonなどのプログラム言語を用いて計算や統計処理を行うCodeInterpreterなどの機能
最新の情報に基づいた生成:Google検索等を組み合わせた最新情報の引用による生成
グラファーが提供する「Graffer AI Studio」では上記の機能を兼ね備えており、様々な業務シーンで活用が可能です。
参考:Graffer AI Studio(https://graffer.jp/ai-solution/products)
生成AIの得意分野と苦手分野の一覧
得意分野と苦手分野を一覧にまとめると、以下のようになります。

生成AIに関するR&Dを進めている企業にとっては常に最新の情報をキャッチアップしておく必要があります。
「最新情報のキャッチアップに工数がかかっている」という企業は、Graffer AI Solutionの生成AI活用伴走支援サービスや生成AI研修・人材育成サービスを活用する選択肢もあります。
まとめ:得意・不得意を理解して自社の革新につなげる
生成AIの得意な領域、不得意な領域について解説しました。生成AIをビジネスへ利活用するためのステップとして、生成AIにできることを理解することは欠かせません。すでに生成AIを業務に活用している企業では、研修やシステムの導入を通じて、自社固有の業務に対して、どのように生成AIが活用できるのかを探索しています。
「生成AIの活用が進んでいない」「活用する方法を模索したい」という企業は、生成AIの得意な領域・不得意な領域を十分に理解することで、取り組みを一歩前進させることができるでしょう。この記事が、皆様のビジネス変革においてヒントとなれば幸いです。
文:東 真希 / 図:望月 麻由
