2022年3月に人事制度2.0ができてから2年。2024年3月に、そのバージョンは2.3へとupdateされました。
この記事では、私たちが何を想い、何を大切にして制度をupdateしてきたのか、その背景についてご紹介します。
人事制度2.0誕生の背景
2019年頃から自治体へのサービス導入事例が生まれ始めたこと、その後COVID-19という未曾有の災害によって、行政領域においても直接顔を合わせずに行政サービスの提供を行うニーズが急速に増加したことなどから、当社サービスは政府・自治体の方々からたくさんの引き合いをいただくようになりました。
この事業拡大に伴い、従業員数もサービス導入開始から7倍以上に増加しました。急激な従業員数の増加に伴って、意思疎通がうまくいかない、意思決定プロセスが不明瞭に感じられる、仕事が細分化されて全体感を把握しづらいなどの組織的な課題が生じるようになりました。それまでのように全員が経営者のように動く個の集まりから、チームとして価値を生み出す組織へと変化が必要な時期が来ていました。
そこで、当時のメンバー全員の考えをなるべく吸い上げ、全員がミッション達成のための行動指針として納得感を持って体現できるものとすることを第一に、2022年2月、バリューを2.0へとアップデートしました。(バリュー再定義プロジェクトの詳細はこちらをご参照ください)
バリュー2.0誕生に合わせ、人事制度に関しても見直しを行いました。
人事制度2.0で実現したかったこと
人事制度は、その会社が「人・組織に対してどうありたいか」という意志を、仕組みで表したものです。
急激な事業環境の変化、組織拡大によって、経営層とメンバーとのコミュニケーション、メンバー同士のコミュニケーションに課題が生じていた当時、改めてグラファーが大切にしたいことは、みんなで作ったバリューを「グラファーの文化として浸透させ」、「会社の成長と、個人のキャリア形成・能力開発の両立を大事にし」、「オープンな経営を体現すること」でした。
そこで、人事制度2.0には3つの役割を持たせ、制度設計を行いました。
(人事制度2.0発足の詳細はこちらをご参照ください)

人事評価は「バリュー発揮行動」「保有能力」「当期に生み出した成果」の3軸にて行い、バリュー発揮行動に関しては周囲のメンバーからの360度フィードバックを導入しました。360度フィードバックを導入することで、上長以外のメンバーから自分がどう見えているのか、客観的なフィードバックをもらう機会を増やし、バリューの浸透とともに複眼で自分を振り返り、自身のふるまいを良い方向へと改善する手助けとなることを目的としています。

等級(Grade)制度は従前より運用していましたが、このタイミングにて「役割」(E1、E2、S、M1・・・)を新設し、役割に対して等級を割り当てる役割等級制度に切り替えました。各役割に求められる業務水準を明確に言語化することで、メンバーは現在の自分に期待されていること、上位・他の役割が期待されることを知ることができ、次のステップを目指すための道のりが明確になります。誰がどの役割を担っているかは全社で公開されており、オープンな経営を体現することも意識して設計しました。
また、役職(CXO、Manager・・・)と報酬(等級)を分離することで、組織への貢献の仕方に幅を持たせました。グラファーでは、役職を「配役」ととらえ、マネージャーとメンバーに上下関係があるのではなく、役職がある人は組織をマネージすることで組織に貢献する人であり、スペシャリストはその人が保有する専門能力を使って組織に貢献する人と考えています。
そのため、組織の要請や個人のキャリア志向などを踏まえて柔軟かつ機動的にその配役を変えられるような設計としています。


(役割定義の一部抜粋)
社長輪番制と、人事制度2.1
2022年2月に人事制度2.0をローンチした同年の12月、OpenAI社よりChatGPTが登場します。
業務のデジタル変革を切り口として人々と行政に変革を起こし、社会を変えていくことを目指す当社において、生成AIを代表とする最新の技術トレンドをキャッチアップし、プロダクトに反映させていくことの重要性がここに来て飛躍的に高まりました。そして2023年3月、社長輪番制を採用し、CEOの石井を始め、経営リソースをプロダクト開発に大きくシフトさせるための意思決定を行います。
(社長輪番制施行の詳細はこちらをご参照ください)
社長輪番制の施行とともに、全社の成長を加速させるための取り組みとして、人事制度の見直しを行いました。人事制度2.0の発足からちょうど1年での見直しです。
人事制度2.0では、人事評価のための振り返りを半期に1度のタイミングで行っていたため、上期・下期末になると評価に付随するマネジメント業務の負荷が爆増していました。また、目まぐるしく変わる市場環境の中で期中にメンバーの役割やミッションが変更となることもあり、期初に立てた目標が期末にはまったく別のものになってしまっているなど制度運用上の歪が複数生じている状態でした。
そこで、この見直しでは半期に一度の人事評価サイクルを、月次でのリアルタイム評価に変更し、評価スケールそのものを廃止しました(いわゆる、ノーレイティング)。評価結果に伴う賞与は各メンバーの業務上の成果に応じて随時支給を決定できる形へと変更し、評価と連動した給与改定は従来通り毎月の判定会議で行えるものとして期中に生じる急な役割変更にも対応可能な形としました。
また、評価の軸である「バリュー発揮行動」「保有能力」「当期に生み出した成果」のうち、特に「保有能力」に関して、
能力を保有しているだけではダメ。
能力や知識を獲得するだけでもダメ。
新たに獲得した能力を使って発揮するからこそ会社の成長と、個人のキャリア形成・能力開発の両立が可能になる
という点を明確に言語化して、解釈にブレがないように「保有能力」を「獲得能力の発揮」へと変更しました。

他にも、各メンバーの目標は全社目標からブレイクダウンした組織目標(Initiative)と明確に連動させ、環境の変化にも柔軟に対応できるものに変更しました。

またこのタイミングで、自身の価値観・キャリア観を言語化し、所属チームのマネージャーとすり合わせる時間を作る「Self Planning」という取り組みをはじめました。
事業会社に所属する以上、メンバーとして自社の長期的な企業価値向上に貢献することは必要不可欠です。一方で、せっかく意志を持って人生の貴重な時間をグラファーに使うことを決めてくれたメンバーには、グラファーにいた時間が人生にとってプラスだったと思ってもらいたい。
そこで、日常業務からあえて少し離れ、メンバー自身の価値観を一度言語化し、それをマネージャーとの1on1を通じて日々の業務と接続させていくことを目的として、本取り組みを行っています。


役割の構成要素明文化と、人事制度2.2
人事制度2.1の発足から半年後の2023年9月、早くも人事制度は2.2へとアップデートされることになります。人事制度を運用していく中で、マネージャー陣から
同じE2の役割の中でも、Grade8の人とGrade11の人では実運用上期待する役割が異なっている
具体的には、Grade11以上のメンバーには、個人のパフォーマンスだけではなく組織全体のパフォーマンスを高める役割を期待している
といった声が多く聞かれるようになりました。そこで、実運用を担うマネージャー陣と対話を重ね、新たにE3を新設し、その構成要素を明文化しました。


新設されたE3の定義の1つめは「高い個人目標を自ら推進し達成することで、組織業績を牽引する」ですが、「高い個人目標」の”高い”の解釈は、人によって異なります。こういった人や状況によって解釈にばらつきが出る部分をなるべく平準化できるよう、「扱う業務の抽象度」「扱う業務の時間軸」「行う意思決定の影響度」「担当領域の熟練度」「上司の関与度」の5つを物差しとして定めています。

そして、人事制度2.3へ
2024年1月現在、人事制度をより良いものとすべく、運用面の改善を進めています。
人事制度2.0ができてから2年、人事評価のタイミングは半期からリアルタイムに変更となり、評価軸・評価プロセスも変わってきました。この2年で、グラファー人事制度の骨格は、固まってきたように思います。
一方で、HRとしては各メンバーがリアルタイムに業務上必要な振り返りを行い、合わせて自身のキャリアの棚卸しをする助けとなるような仕組みを完璧に提供できているとは言えません。役割の構成要素はまだまだ社内にあまねく浸透しているとは言えず、Self Planningの内容も、やってみて終わりとなっており、日常業務に接続できるまでには至っていないと感じています。
冒頭の繰り返しとなりますが、人事制度はその会社が「どういう組織や文化を作っていきたいのか」をあらわすものであり、社員や会社の成長にあわせて変化していくべきものだと私たちは考えています。また、「形骸化せずに運用される制度」でありたいと考えています。
「今」存在している課題に向き合いつつ、経営方針や事業方針、メンバーの声を聞き、当社のバリューの1つである「未来から逆算」「相互信頼を積み上げる」を体現しながら、最適な制度・運用をこれからも考え続けていきたいと思います。
グラファーの採用情報
グラファーのミッションやバリューに共感いただける方、一緒に大きな山を登ってくださる方からの応募をお待ちしています!
(今回の記事では制度の詳細説明は割愛していますが、選考過程できちんと説明しますので、ご安心ください。)
