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グレーゾーン解消制度により、当社が提供予定のWEBサービスが司法書士法違反でないことが確認されました

2018年11月7日、株式会社グラファー(以下、当社)は産業競争力強化法の「グレーゾーン解消制度」を活用し、法人の本店移転登記に必要な書類の作成を支援するWEBサービス事業について照会し、法務省から、当該事業は司法書士法第3条第2項第2号の司法書士の独占業務に該当せず、司法書士または司法書士法人でなくとも事業を行うことができる旨の回答を受けました。

■当社が想定するサービス内容と法的な論点について

当社が照会した事業は、法人の登記手続きに必要な書類の作成を支援するWEBサービスを想定しています。
当該サービスでは、法人登記申請に掛かる時間と費用のコストを大幅に削減するため、以下のような機能を提供します。

[1]必要書類の洗い出し
利用者は、WEB上のいくつかの簡単な質問に答えることで、法人登記の手続きに必要な書類を自動的に洗い出すことができます。

[2]必要書類の作成
その後、利用者は、WEB上の案内に従って必要事項を入力することで、洗い出した必要書類を自動生成することができます。

[3]必要書類の印刷代行・収入印紙の購入代行
利用者の希望に応じて、当社で利用者が自動生成した必要書類を印刷、登記に必要な額の収入印紙を購入し、利用者の指定先に郵送します。

このようなサービスを提供するに際しては、司法書士法により、法務局または地方法務局に提出・提供する書類を作成することは司法書士または司法書士法人の独占業務とされていることから、これら法令との整合性を確認する必要があると考えました。

そこで当社は上記製品を提供するにあたり、想定するサービスが司法書士法に抵触しないかにつき、まずは本店移転登記を例として、産業競争力強化法の「グレーゾーン解消制度」にて照会を行い、2018年8月23日付にて司法書士法を所管する法務省より下記の回答を受けました。

法務省の回答:

[1]及び[2]の事業は、株式会社の本店移転の登記に必要となる登記申請書、印鑑届出書等を利用者が登記所に提出するためだけに作成する場合に限定されており、個別の事案において利用者からの依頼に基づき個別具体的なアドバイスをするようなものでない限りにおいて、確認の求めのあった法令の条項との関係においては、全部実施可能である。

[3]の事業は、一般的に登記申請書について、利用者からの指示に基づき、利用者が指定する電磁的記録(登記申請書の電子データ)に記録された内容を印刷して当該利用者に送付する行為そのものは、司法書士法第3条第1項第2号に規定する事務を業として取り扱ったとの評価まではされないものと考えられる。登録免許税を納付するために必要な収入印紙の購入等については、司法書士法において司法書士または司法書士法人の業務として定めた規定はなく、直ちに司法書士法違反との評価がされるものではないと考えられる。

回答の詳細(法務省):
http://www.moj.go.jp/content/001273218.pdf

上記の回答については、2018年11月7日付で経済産業省からも公表されています。

グレーゾーン解消制度に係る事業者からの照会に対する回答(経済産業省):
http://www.meti.go.jp/press/2018/11/20181107008/20181107008.html

 

■今回の回答により何が明らかにされたのか

今回の回答により、法人の本店移転登記に必要な書類を洗い出し、作成し、印刷や郵送の代行が行えるWEBサービスを提供すること自体が司法書士法に違反しないことが確認されました。

今回の照会範囲は、あくまで上記の通り、「法人の本店移転登記」に限定されたものです。それでも、法務省からの回答によって、これまで明白でなかったいくつかの事柄が明らかになったことで、当社だけでなく、ITを活用した各種WEBサービスを提供する様々な企業にとっても適法性を考える上での重要な指針になると思われます。

[A] ITを活用した手続き案内が適法であること

当社が想定している、手続きに必要な書類を洗い出すシステムは、既に手続きガイドとして提供されているものも含め、あらかじめ一律に定められた条件に従って利用者に手続き情報を案内するものです。

これらは、利用者ごとの事情を勘案した上で当社が個別具体的なアドバイスを行うものではなく、現に法令等で定められている、または行政機関が運用として定めている要件に従った一般的な知識を、システムの計算能力を活用して適切に提供するものにすぎません。

このようなシステムの提供が法人の本店移転登記手続きについて適法であるということは、司法書士法のみならず、社会保険労務士法、行政書士法その他の各種士業法との関係で同様の議論を行う際の出発点となり得るはずです。

[B] ITを活用した手続き書類の作成が適法であること

当社が想定している、書類を作成するシステムは、既にGrafferフォームとして公開している、書類の作成・印刷ができるプラットフォームと同様の技術を活用しております。このシステムでは、利用者が入力した情報を、あらかじめ用意してあるPDF等の書式に合成することで、完成版の書類を生成します。

このような場合について、当社は従来から、「書類の作成主体は当然ながら利用者本人であり、当社は他のワープロソフト等と同様に、書類を作成するためのツールを提供しているものである」と考えていました。

この考え方が今回の回答により認められ、システム上で書類を作成できることそれ自体が司法書士法に抵触していない旨が改めて確認されました。この画期的な判断は、今後、様々な手続き書類をウェブサービス上で作成できるようにする上での優れた参考事例となり得ます。

[C] 利用者本人が作成した書類の印刷代行や、収入印紙等の購入代行が司法書士法に照らし適法であること

[A][B]の判断により、当社が提供する、あるいは提供を想定しているサービスにおいては、書類を作成する主体はあくまで利用者であることが明白です。よって当然のことながら、本人が作成した書類に関連して、当社が依頼を受けて、印刷や収入印紙の購入などの作業を代行することは、これら個別の作業の代行にすぎないのであって、司法書士法において司法書士の独占業務とされる「書類の作成」には該当しないため、適法であることが改めて確認されました。

ただし、当社は収入印紙の購入代行等が、古物営業法との関連で適法かどうか判断しかねたため、これらのサービスを提供するにあたり、実際に古物営業法に基づく営業許可を受けております

 

今回の照会・回答を受け当社は、利用者本人が、様々なITサービスを活用して手続きを効率的に行うことを、適法かつ合理的に提供できることを改めて確認いたしました。

今後も、利用者の皆様に喜ばれる優れた製品を生み出してまいりたいと考えています。

 

本件で照会された事業について

当社は、本回答を得る以前から、司法書士法などの法令に照らして適法であるとの判断のもと、「Graffer法人登記申請」として、法人の登記手続きに必要な書類を作成するサービスを提供しておりました(その際の対応手続きは、株式会社の本店移転登記のみ)。

その際も、当然のことながら、利用者個別の事情に応じたアドバイスや、作成した書類に当社の人間が手を加えること等は司法書士法に抵触するため一切行うことができない旨をお客様にお伝えした上、システムによる一律のサービス提供、及び、作成済み書類についての印刷等の事務代行作業のみを請け負う形でサービスを提供しておりました。

初期にご利用いただいたお客様からのフィードバックを受け、さらなる製品・サービスの品質改善が必要と考え、現在はサービス提供を停止し、リニューアルオープンに向け準備を進めている段階です。サービスの再開の日程は現時点で未定ですが、決定事項がありましたら、本サイト上にてお伝えいたします。

 

(本記事は、CEO・石井、法務・南がお送りいたしました)

 


株式会社グラファーについて

グラファーは、「テクノロジーの力で民主主義を拡張する」というヴィジョンのもと、インターネットとテクノロジーを活用し、様々な行政手続きを効率的に行える各種サービスを開発・提供しているスタートアップ企業です。

現在提供中のサービス

◆行政手続き情報メディア「くらしのてつづき」
https://ttzk.graffer.jp
◆手続き書類のオンライン作成・印刷・郵送「Grafferフォーム」
https://forms.graffer.jp/
◆法人登記事項証明書/登記情報のオンライン請求「Graffer法人登記簿謄本取寄せ」
https://registry.graffer.jp/

 

会社概要

設立: 2017 年7月18日
所在地: 東京都渋谷区神宮前2-3-10 ヒルトップ神宮前ビル2F
代表取締役CEO:石井 大地
https://graffer.jp/

【本件に関するお問い合わせ先】

株式会社グラファー 広報担当

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