本書は、Graffer AI Studioが提供するサービスの範囲、機能や利用上の注意点等を明記するものです。尚、本書における主な用語の定義は、各条項に定義するもののほか、「Graffer AI Studio サービス利用約款」に掲げるとおりとします。
概要
サービス名
Graffer AI Studio
サービス概要
- 大規模言語モデル(LLM)をはじめとする生成AIを企業内でセキュアに活用するための統合サービスプラットフォームです。
- セキュリティ、コンプライアンス、及びデータガバナンスが担保された、生成AIの企業内ユーザー向け利用環境と、各種システム統合のためのツールキットを提供します。
- 生成AIを多種多様な業務に適用するために必要なプロンプトエンジアリングのノウハウ、プロンプトのテンプレート、各種業務機能を継続的に拡充し、業務のAI変革を促進するための、現場から経営上の意思決定に至るまでの様々なレベルでの取り組みを支援します。
サービスの提供者
- 株式会社グラファー(以下、当社)
サービスの対象者
- お客様の従業員、職員等、本サービスを利用する個人
提携するLLMサービス
- GPT-3.5 Turbo/Open AI社提供
- GPT-4/Open AI社提供
- GPT-4 Turbo/Open AI社提供
- GPT-4o/Open AI 社提供
- GPT-4o mini/Open AI社提供
- Azure GPT-3.5 Turbo/Microsoft社提供
- Azure GPT-4/Microsoft社提供
- Azure GPT-4 Turbo/Microsoft社提供
- Gemini 1.5 Flash/Google社提供
- Gemini 1.5 Pro/Google社提供
機能・サービス内容
サービスの主要な機能一覧
- 大規模言語モデル(LLM)の企業内利用
- GPTなどのLLMを活用したチャットを企業内のユーザーが利用できます。利用時のデータがLLMプロバイダーのモデル学習に使われることはありません。
- シングルサインオン
- 社員1名ごとにアカウントを発行し、SSOによる認証が可能です。認証方式はSAML(Google Workspace、Azure Active Directory、Oktaなど)に対応しています。
- 権限管理
- ユーザーごとに特権管理者、またはアカウント管理者及び/もしくは 一般ユーザーとしての利用権限の設定が可能です。
- 利用状況のモニタリング
- 特権管理者権限を保有するアカウントユーザーにおいては、以下の情報を参照できます。
- 企業内の各ユーザーが利用したプロンプトを含む利用ログ(具体的には以下)
- ユーザーごとの入出力データ及びその投稿日時等のログ(以下含む)
- カスタムモデル利用時にプレビューのためにテストした入出力内容や、カスタムモデルの設定内容(入出力の基底となる指示であるシステムプロンプトなど)
- タスクライブラリ利用時に入力データに含まれる、当社にて設定している表示外の指示文の内容
- 認証ログ:Graffer Platform セキュリティホワイトペーパー(https://graffer.jp/legal/whitepaper)「3.3.1 イベントログ取得」に準拠
- ユーザーごとの入出力データ及びその投稿日時等のログ(以下含む)
- 各月のアプリケーションごと、利用モデルごとの使用文字数の状況
- 企業内の各ユーザーが利用したプロンプトを含む利用ログ(具体的には以下)
- 特権管理者権限を保有するアカウントユーザーにおいては、以下の情報を参照できます。
- プロンプトテンプレート
- プロンプトに含める工夫・ナレッジをプロンプトテンプレートとして登録・編集及び、利用することができ、様々な業務に効率的に活用できます。
- プロンプトテンプレートは、お客様内で以下の範囲で共有できます。
- 自分のみ(共有なし)
- 特定のグループ
- テナント全体
- タスクライブラリ
- 「文章要約」、「エクセル関数を教えてもらう」、「ビジネス文書のたたき台を作成する」など汎用的な用途に関して、当社が予め用途ごとに用意したタスク実行用のアイテムを利用することで、プロンプトとしてのユーザーの入力を最小化し、より簡易に生成AIによる出力を得ることができます。
- 本機能の対応モデルはGPT4o miniのみのため、当該モデルのご利用申込を頂いている場合にご利用可能です。
- カスタムモデル
- ユーザーが、以下の設定の範囲で、特定の用途専用のカスタムモデルを作成することができます。この「カスタムモデル」は、特定の目的に合った応答を生成するために以下の設定機能を提供するものであり、機械学習モデルそのものを作成するわけではありません。
- カスタムモデルの表示名
- カスタムモデルの説明文
- モデル(入出力で利用するLLMモデル/テナント全体における設定の中で利用可能なモデルのみ選択可能)
- システムプロンプト(入出力の基底となる指示)
- Temperture(出力のランダム性を制御するパラメータ/0(安定的)~1(創造的)の範囲)
- 特定の用途に焦点を当てた際、プロンプトの内、利用の都度内容が変わることのない制約条件や前提情報などを、予めシステムプロンプトとして設定することにより、利用時は最小限の入力で出力を得ることができます。また当該カスタムモデルを複数人で共有する場合には、各利用者にとっては都度入力する必要がある部分だけの最低限のプロンプト入力によって出力が得られるため、プロンプトテンプレート以上に利用難易度の低減や可視性の向上が図れます。
- カスタムモデルは、お客様内で以下の範囲で共有できます。
- 自分のみ(共有なし)
- 特定のグループ
- テナント全体
- なお、カスタムモデルは将来的にワークスペースへの機能統合を予定しているため、新規の提供はありません。
- ユーザーが、以下の設定の範囲で、特定の用途専用のカスタムモデルを作成することができます。この「カスタムモデル」は、特定の目的に合った応答を生成するために以下の設定機能を提供するものであり、機械学習モデルそのものを作成するわけではありません。
- 【プレビュー版】ワークスペース
- ユーザーが、以下の設定の範囲で、特定の用途専用のワークスペースを作成することができます。
- ワークスペースの表示名
- システムプロンプト(入出力の基底となる指示)
- ファイルの保存
- 特定の用途に焦点を当てた際、プロンプトの内、利用の都度内容が変わることのない制約条件や前提情報などを、予めシステムプロンプトとして設定することにより、利用時は最小限の入力で出力を得ることができます。また、繰り返し添付するファイルを予めワークスペースに保存することにより、利用時に都度ファイルを添付することなく、当該コンテキストを活用した出力を得ることができます。
- ワークスペースは、お客様内で以下の範囲で共有できます。
- 自分のみ(共有なし)
- 特定のグループ
- テナント全体
- ファイルの保存に対応するファイル形式、ファイルサイズ及びファイル数は以下の通りです。
- 対応ファイル形式:PDF、PPTX、Word
- 対応ファイルサイズ:1ファイル当たり最大30M
- 対応ファイル数:1ワークスペース当たり最大10ファイル
- ユーザーが、以下の設定の範囲で、特定の用途専用のワークスペースを作成することができます。
- 【プレビュー版】データ処理・分析+ファイル検索(Assistants API機能)
- Open AI社が提供するAssistants API機能を用いて、PDFやExcelなどのファイルを入出力データとして扱うことができるようになり、データ処理・分析やファイル検索に活用できます。
- 以下、2つの機能に分かれています。
- データ処理・分析機能(Code Interpreter):自然言語でのユーザーの質問や要求に応じて、プログラムコードを作成・実行し、データ処理・分析等を実施します。
- 対応ファイルについては、Open AI社提供の「Supported files」(https://platform.openai.com/docs/assistants/tools/code-interpreter/supported-files)をご参照ください。
- ファイル検索機能(File Search):ユーザーの質問や要求と、入力データとしてアップロードしたファイルの情報に基づいて、当該ファイル内の関連情報を効率的に抽出・参照した上で回答生成します。
- 対応ファイルについては、Open AI社提供の「Supported files」(https://platform.openai.com/docs/assistants/tools/file-search/supported-files)をご参照ください。
- データ処理・分析機能(Code Interpreter):自然言語でのユーザーの質問や要求に応じて、プログラムコードを作成・実行し、データ処理・分析等を実施します。
- 【プレビュー版】音声文字起こし
- ユーザーは、mp3 / mp4 / wavなどの形式で保存している音声データをアップロードすることで簡単に文字起こしをすることができ、さらに当該文字起こし後のテキストデータを、円滑に、生成AI処理(要約、要点抽出、整形等)に活用することができます。
- 文字起こし後のテキストデータを生成AI処理に活用する際には、簡易的な操作で、任意のプロンプトの挿入や予め用意されている整形・要約向けプロンプト、その他プロンプトテンプレートを挿入することが可能です。
- なお、ライブの会話をストリームで文字起こしする機能ではありません。
- 対応するファイル形式及びファイルサイズは以下の通りです。
- 対応ファイル形式:mp3、mp4、wav、m4a
- 対応ファイルサイズ:最大450MB
- アップロードされた音声データファイルについては、半年など一定期間経過後にグラファーが任意のタイミングで削除する場合があります。
- ユーザーは、mp3 / mp4 / wavなどの形式で保存している音声データをアップロードすることで簡単に文字起こしをすることができ、さらに当該文字起こし後のテキストデータを、円滑に、生成AI処理(要約、要点抽出、整形等)に活用することができます。
想定される主なユースケース
- 新しいコンテンツや文章等の生成、推敲、要約
- アジェンダ案の作成
- IRドキュメントの生成や推敲
- 議事録のレビュー、要約
- 広告コピー、UXライティングの文案生成や推敲
- 高度化したバーチャルエージェントとしての対話
- Q&A等の応答
- 特定のトピックに関する一定の専門性のある示唆の入手
- コード生成や変換
- データの構造化・体系化
サービスの利用条件・注意点
- サービスの利用制限について
- Graffer AI Studio 利用約款第18条第1項に定める通り、提携するLLMサービスがア
クセスを禁止している国や地域から本サービスにアクセスする行為は禁止されています。詳細は以下に準拠します。
- Graffer AI Studio 利用約款第18条第1項に定める通り、提携するLLMサービスがア
提携するLLMサービス名称/会社名 | 準拠する公開情報 |
GPT-3.5 Turbo、GPT-4、GPT-4 Turbo、 GPT-4o、GPT-4o mini/Open AI社 | Supported countries and territories |
Azure gpt-35-turbo、Azure gpt-4、Azure gpt-4 Turbo/Microsoft社 | 特になし |
Gemini 1.5 Flash、Gemini 1.5 Pro/Google社 | 特になし |
- 本サービスの対象者において、本サービスの運営に関わる過度な利用があった場合には、当該対象者に対する本サービスの提供の全部又は一部を一時的に停止する可能性があります。
- 入力データについて
- 提携するLLMサービスにおける学習データとしては活用されませんが、一定期間は入力データの不正利用等の監視・調査を目的として提携するLLMサービスを提供する企業内で保持され、その後削除される場合があります。詳細は以下に準拠します。
提携するLLMサービス名称/会社名 | 保持期間 | 準拠する公開情報 | |
GPT-3.5 Turbo、GPT-4、GPT-4 Turbo、 GPT-4o/Open AI社 | 最大30日間 | API data usage policy | |
Azure GPT-35-turbo、Azure GPT-4、Azure GPT-4 Turbo/Microsoft社 | ログ非保管 (MicrosoftによるModified Abuse Monitoringの承認を受けているため) | Data, privacy, and security for Azure OpenAI Service | |
Gemini 1.5 Flash、Gemini 1.5 Pro/Google社 | ログ非保管 (GoogleによるAbuse Monitoring Exceptionの承認を得ているため) | Gemini API関するよくある質問 生成 AI とデータ ガバナンス | Vertex AI の生成 AI | Google Cloud Abuse Monitoring |
- 出力データの活用について
- お客様は、自らの責任と費用により、出力データがお客様及びエンドユーザーに適用のある法令、内部規則及び本約款等に違反しないことであることを調査確認し、その活用可否及び活用方法の判断を行うものとします。
- 尚、本サービスによる出力データを、人間により生成されたものとして表明することは禁止されています。
- 当社による入出力データ等ログの取得目的、終了後の措置について
- 取得目的
- 当社は、主に以下の目的で入出力データ等のログを取得します。
- 濫用・誤用のモニタリング
- 障害発生時の調査
- サービスの改善
- お客様に対するサービス活用支援・提案
- 尚、お客様の入出力データ等をモデルの学習に利用することはありません。
- また、サービスの改善やお客様に対するサービス活用支援・提案について、特定の頻度・水準での実施をお約束するものではなく、また、正確性、完全性、有用性、確実性等、その内容について何ら法的保証をするものではありません。
- 当社は、主に以下の目的で入出力データ等のログを取得します。
- 終了時の措置
- 契約終了後、入出力データ等(プロンプトテンプレートを含む)のログについては、一定期間をおいて削除します。
- 取得目的
- 利用状況のモニタリング機能について
- 利用状況のモニタリング機能はお客様自身にて管理画面から利用できる状態とし、本機能より得られる情報の活用方法に関しては、お客様の裁量にゆだねられます。
- 本サービスは、当社が指定する下記の IaaS 事業者が提供するインフラ上に構築されており、本サービスの一部は IaaS 事業者のサービス内容に準じます。
- 当社指定の IaaS 事業者: Amazon Web Service (東京リージョン)
- 以下は、上記 IaaS 事業者のサービス内容に準じます。
- データセンターの敷地、建物、サーバー室、機器に関する事項
- データセンターの管理及び運用に関する事項
- プレビュー版機能に関する保証範囲及び免責
- プレビュー版の機能については、試用・検証を目的として提供される開発中の機能であり、提供終了(正式サービス化に伴うプレビュー版機能としての提供終了の場合を含むが、これに限らない。)までの間、限定的なサービスレベルで提供される機能です。本機能は現状有姿で提供されるものとし、グラファーは、本機能が正常に動作すること、及び機能の品質について、商品性及び特定目的への適合性を含め、利用者に対し一切の保証を行いません。
- プレビュー版の機能提供にあたっては、各機能を通じた顧客向け提供価値等を鑑み、機能の向上等の目的でグラファーが随時任意に仕様変更を加えることができるものとし、当該変更により仮に利用者が不利益を被る場合であっても、グラファーは一切の責任を負いません。
- グラファーは、利用者による本サービスの使用もしくは使用不能から生ずる直接的又は間接的損害について、グラファーの故意重過失に起因する場合を除き、一切責任を負いません。
サービスレベル
サービス稼働時間
- 24 時間 365 日(ただし、計画停止を除く)
クライアント機器の利用環境
- サポートされているOS
- Windows及びMacOSの最新バージョンをサポートしています。
- サポートされているブラウザ
- Chrome、Edge及びFirefoxの最新バージョンをサポートしています。
- お客様が上記の動作環境の条件を満たさない環境を利用することにより、本サービスの全部または一部が利用できない場合、当社は一切責任を負いません。 上記条件を満たす場合でも、お客様またはその利用者の固有の動作環境の制限・設定によっては、本サービスの一部の機能がご利用頂けない場合があります。
セキュリティ要件
- 当社は情報セキュリティに関する最上位方針として、「情報セキュリティ方針」(https://graffer.jp/legal/isms-policy)を定め、ホームページ上で公開し、お客様が安心して当社製品を利用できるよう取り組みを行っています。
障害対応
- 現時点ではベストエフォートでの対応とします。
更新履歴
版数 | 保持期間 | 主な内容 | |
1.00 | 2023/4/20 | 初版 | |
2.00 | 2023/6/26 | ・提携するLLMサービスの追加 ・テンプレート関連機能の最新化 | |
3.00 | 2023/11/1 4 | ・提携するLLMサービスの追加 ・上記に伴う関連参照情報の追加 | |
4.00 | 2023/11/2 7 | ・提携するLLMサービスの追加 | |
5.00 | 2024/5/15 | ・提携するLLMサービスの追加 | |
6.00 | 2024/6/24 | ・カスタムモデル、【プレビュー版】データ分析・処理/ファイル検索などの新機能についての記載追加 | |
7.00 | 2024/7/5 | ・機能追加に伴う利用状況のモニタリングに関する記載追加 ・新機能の【プレビュー版】タスクライブラリについての記載追加 ・提携するLLMサービスの追加 | |
8.00 | 2024/8/6 | ・提携するLLMサービスの追加及び表記の微修正 | |
9.00 | 2024/11/15 | ・Gemini 1.5 Flash、Gemini 1.5 Pro/Google社における入力データの取り扱いに関する記載の追加 | |
10.00 | 2025/2/19 | ・【プレビュー版】タスクライブラリの対応モデル更新 ・サポートブラウザの追記 | |
11.00 | 2025/3/25 | ・【プレビュー版】音声文字起こし機能の追加 ・プレビュー版に関する注意事項の追記その他微修正 | |
12.00 | 2025/4/1 | ・【プレビュー版】ワークスペース機能の追加 ・カスタムモデルの記載追加 |