日本全体にデジタル化の波が押し寄せ、行政DXに対するニーズも急増しています。その最前線で自治体を成功に導く「ガバメントサクセス」というチームがあることをご存じでしょうか?ガバメントサクセスがどんな考えで、どんなことをしているのか?これまで数々のプロジェクトをリードしてきた藤本さんに聞いてみました!
ガバメントサクセスチームのマネージャーをしている藤本です。
「ガバメントサクセス」って、聞いたことありますか?
簡単に説明すると、「ガバメントサクセス」は、一般に言う「カスタマーサクセス」なのですが、グラファーではあえて「ガバメントサクセス」と言い換えています。
「自治体」を「サクセス」させるのだ!という強い思いを表すために、カスタマーではなくガバメントと表現しているのですが、具体的にどんな仕事をしているのか、ちょっと分かりにくい部分もあると思います。そこで、今回はガバメントサクセスの仕事を紹介していきたいと思います。
皆さんは、「自治体」ってどんな仕事をしているところだと思いますか?
ちょっと唐突ですが、『キングダム』に興味深いシーンがあったので引用してみたいと思います。この『キングダム』は、紀元前の中国を描いた漫画なのですが、この漫画の中で、登場人物たちが「法治国家」について議論するシーンがあります。このシーンでは、春秋戦国時代の政治家である李斯がこう発言しています。
「”法”とは願い!国家がその国民に望む人間の在り方の理想を形にしたものだ!」
出典:集英社『キングダム 48巻』
この言葉を現代の自治体に当てはめて考えると、
(少々理想主義がすぎるような気もしますが)法の執行機関の一つである自治体とは、「こんな世の中であってほしいという願いを『実現する』機関」であると私は思います。
そして今、この自治体が一生懸命取り組んでいるのが、「デジタル社会の実現」です。国や社会の後押しを受け、デジタル化の波が大きなうねりとなって押し寄せており、自治体は、デジタル社会のあり方を「模索」している段階にあります。しかし、デジタル技術を用いた行政サービスの最終的な正解を知っている人は、誰もいません。
この「デジタル社会の実現」に対して、「市民中心の行政サービス」という考え方を提案しているのがグラファーです。
グラファーが目指すのは、「Digital Government for the People」。つまり、システムの導入を、行政事務の効率化のためだけではなく、市民の利便性を追求したものにしようという考えで、自治体などの行政機関にデジタル化のためのプロダクトを提供することです。その最前線で自治体に伴走するのが、私たちガバメントサクセスです。
自治体のデジタル化を実現するために、ガバメントサクセスが取り組んでいる仕事を簡単に紹介します。
一つ目の仕事は、自治体がデジタル社会を実現するためのサポートです。大きく分けて、次の二つの仕事があります。
デジタル化というと、システムの導入に目が行きがちですが、実際にデジタル化を成功させるには、さまざまな調整や検討が必要になります。
例えば、法令に関する検討です。行政手続きは、基本的に何らかの法的根拠に基づいているので、「オンラインで手続きを受け付けよう!」「業務改革をしよう!」と思っても、「法的に問題ないか?」という悩みが付きまといます。
他にも、「分かりやすいオンライン申請フォームの構成」「住民への周知の方法」「オンラインで受け付けた後の業務をどう構築するのか」といったUX、広報、業務プロセスの検討など、やらなければいけないことはたくさんあります。そういったデジタル化に向けた課題の一つ一つに対して、実現方法を自治体と一緒に考える仕事をしています。
グラファーが考える行政デジタル化は、行政事務の効率化のためだけのものではなく、市民の利便性を追求したものです。そのため、プロダクトを使ってくれた市民の声を聞いて、プロダクトに反映していく取り組みをしています。
例えば、SEOやウェブマーケティング観点でのウェブサイトの改善を提案したり、利用データをもとにユーザー行動を分析しながら、自治体と一緒に改善方法を模索しています。
二つ目の仕事は、プロダクトへのフィードバックです。
自治体の職員さんは、スクラッチ開発やパッケージの個別カスタマイズでシステムを調達することになじんでいるからこそ、SaaS型の個別カスタマイズ性のなさに馴染みがないことがあります。そうした背景をくみ取りつつ、日本中の自治体に価値のある汎用的な機能を提供するために、プロダクトへのフィードバックを行っています。
このように、ガバメントサクセスの業務範囲はなかなか盛り沢山ですが、常に「自治体のサクセス」を達成するために、「自分たちに何ができるのか?」という意識を大事にしながら、業務に取り組んでいます。
キングダムを例にすると、ガバメントサクセスの活動が成功している状態とは、主人公の部隊に後から参加し、勝利に貢献することで徐々に信頼を勝ち取っていった、軍師・河了貂のような存在になることかもしれません。飛信隊の隊員たちが河了貂をパートナーとして信頼しているように、私たちは自治体からパートナーと思ってもらえ、信頼いただけるような活動をすることが仕事だと思っています。
出典:集英社『キングダム 23巻』
そんな、河了貂を目指して日々仕事をしている(語弊はあります)ガバメントサクセスの仕事が生み出した価値を、私が実感したシーンをご紹介します。
自治体の人と「どんな文言を使うとわかりやすいだろう?」「受け付けた後の業務はどうやって変えたら住民にすぐに結果を返せるだろう?」と頭を悩ませて、ある手続きをオンライン申請できるようにした結果、実際に申請をした住民の方から「簡単だった!」「わかりやすかった!」「オンラインで申請できて良かった!」などのコメントを頂いたときには、「この日本で、行政に関わる人々の行動が変わったんだな」と実感しました。
また、「役所ではこんな課題があるんだけど、グラファーさん何かいいアイディアないかな?」みたいな、私たちのプロダクトに直接関係のないような相談をいただいたときには、「この人は私のことを『単なるシステム屋』としてではなく『自治体のDXを進める上でのパートナー』として見れくれているんだな!」とガバメントサクセスならではの価値を実感しました。
こうした相談から、「新たなサービスの芽」を見つけられることもありますし、グラファーとしてサービス化しなくても、相談ごとの解決に貢献したときには、「日本を変えているな!」という、何とも言えないやりがいを感じます。
ガバメントサクセスでは、多様なバックグラウンドをもったメンバーが働いています。民間企業出身者、地方自治体出身者、中央省庁出身者、元プロのバンドマンなんてのもいて、それぞれのメンバーが個性を生かしながら、日々格闘しています。
しかし、カスタマーサクセスとしてやれていることはまだまだ限定的です。顧客の状況に合わせたハイタッチ・ロータッチ・テックタッチのオンボーディングプロセスの改善、それぞれに応じた施策の実施という観点ではやれること・やるべきことはたくさんあると思っています。
自治体に対して、「住民へのサービス提供を、もっと現代的な手法に合わせて提供するべきだ!」と語っている自分たちだからこそ、常に最新技術や世間のトレンドを取り込みながら、カスタマーエクスペリエンスをアップデートし続けたいと考えてます。
いずれは、自治体職員に「自分たちがグラファーから受けたサービスがとても良かったから、同じようなことを自分たちも住民に対してできないか?」と思ってもらえると最高です。
自治体のデジタル化は、今後も日本の中で大きなトピックになっていくといわれています。2022年5月時点では、菅前総理の立てた自治体デジタル化の方針を岸田総理が引き継いでいますが、今後、政権交代などによって大きな影響を受ける可能性もあります。
そんな大局的な状況もにらみながら、しかし、そんな周りの状況に振り回されすぎず、自分たちが考える「自治体がデジタル化されてる理想像ってこうだよね!」を信じて一緒に走ってくれる仲間を探しています!
グラファーでは、常に新しい意見や知見を求めています。私はガバメントサクセスに携わる中で、「自分たちのやっていることが、確実に価値につながっている」と感じていますが、業務の全てが100点でできているなんてうぬぼれもありません。それもこれも、自治体のデジタル化を実現するために、自分たちの仕事を今よりもっと良くできると思っているからです。
そんな思いに共感して興味を持っていただける方がいたら、ぜひカジュアル面談でお話ししましょう!
最後までキングダムで例えると、常に大局を見ながら、現場で自ら剣を取って柔軟に戦うことができる……そう、秦国の若手有望株・蒙恬のような方を求めています!
出典:集英社『キングダム 46巻』
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