社内勉強会レポート Graffer Academy「AWS入門勉強会」
こんにちは、畑です。Product Managerとして自治体の方と意見交換をしながら、新しいプロダクトの立ち上げに取り組んでいます。前職では、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)の Solutions Architectとしてエンターテインメント業界のお客様のシステム課題の解決の相談・設計、クラウド活用の提案・分析などをやっていました。
今回、「Graffer Academy」でエンジニア以外のメンバー向けにAWS入門の勉強会を企画・開催したので、この研修の経緯や意図についてお話しします!
Graffer Academyとは
社内向けに不定期で開催している、外部の有識者を講師にお招きしたインタラクティブなオンラインセッションです。業界のエキスパートによる最先端の高度な専門知識やスキルの習得と、社外の文化や思想に直接触れることによる、組織のダイバーシティ向上と活性化を目的としています。

なぜ開催しようと思ったのか?
グラファーが取り組んでいるGovTechとは、「Government」と「Technology」を組み合わせた造語です。
このGovTechを進めるには、私たち自身が、「Government(行政や政府)」と 「Technology(テクノロジー)」について、深い知識を持っている必要があります。知識はプロダクト開発や事業開発など、専門性の高い職種の人だけが持っていればいいかというと、そうではなくて「会社全体で知識を高めていくこと」が重要ではないかと考えています。
グラファーでは、Governmentの業務知識については感度が高く、貪欲に学ぶ文化があるように思います。一方、Technologyに関してはエンジニア以外のメンバーが継続的に学ぶ機会は少なく、一歩目を踏みだしにくいように感じます。ただ、私自身は日々の仕事の中で「役割にとらわれず、役に立つ技術を貪欲に知りたい」という姿勢のメンバーがたくさんいることを頻繁に感じていました。
テクノロジーについて学ぶきっかけを作れないかと思っていたところ、AWS Startup Rampへの参画を機に、AWS ジャパンとさまざまな取り組みを行う中で、グラファー社内向けの勉強会を開催いただけることになりました。
グラファーは現在、 AWS Startup Rampに参画しており、AWS ジャパンとGovTech 業界の活性化に向けて特別なプロジェクトを進めています。今回はそのプロジェクトの一環としてご協力いただきました。
勉強会の概要
勉強会は、事前学習の後、座学とハンズオンの2部構成で行われました。講師を担当してくださったのは、AWS ジャパン Solutions Architectの小林竜也様と松本侑也様です。
事前学習では、参加者にオンデマンドの動画コンテンツ(Cloud Practitioner Essentials for Entry)で、ウェブやITの基礎について学習してきてもらいました。このコンテンツは合計3時間程度で、ウェブやITの知識に不安がある人が予備知識を得るのに適しています。公式かつ無償ということで、非常におすすめです。
勉強会前半の座学では、Amazonの企業文化、 クラウドの特長、グローバルインフラストラクチャの構造、責任共有モデルなどのセキュリティの考え方について学びました。また、地方自治体のシステム構築に関する事例も紹介していただきました。
後半のハンズオンでは、典型的な3-tier system(3階層システム(※))のウェブアプリケーションを、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)、Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)、Amazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)、Elastic Load Balancing、Amazon CloudFront、AWS Auto Scalingなどの製品を用いて構築しました。
(※)3階層システムとは、ソフトウェアの機能を3階層に分割して組み合わせる構築手法です。
ハンズオンの形式を取ったのは、座学で学んだだけでは理解できないことが多いためです。例えば、「Amazon EC2の起動、VPCの作成、Amazon マシンイメージ (AMI)を使ってのインスタンスの複製といったものがどれだけ簡単に、素早く行えるのか」、あるいは「逆に手作業で構築した環境を再現したりメンテするのは大変なのか」。こういったことはすべて、実際に手を動かして構築したり、インスタンスを落としてフェイルオーバーさせたりすることでイメージが湧き、理解しやすくなるものです。
オンプレミス(※)でのサーバ調達やネットワーク構築に関わった経験があるメンバーは、マネジメントコンソールからボタンをポチポチして、あっという間にサーバが用意されることに驚きの表情を見せていました。それ以外のメンバーについても、前半の座学で学んだ内容が、実体験として腹落ちしている様子が見て取れました。
(※)オンプレミスとは、クラウドサーバがネットワーク上で提供されるサービスであるのに対して、自社でサーバを運用する方法です。
参考情報:IT 初心者向けクラウド入門ウェビナー「Cloud Practitioner Essentials for Entry」
参加したメンバーの感想
「業務に活かせる具体的な知識が得られた」(BizDev 西村 祐紀さん)
勉強会を通じて、お客様に対して説明する際に必要となる、具体的な知識を得ることができました。これまで社内外を含めていくつかの勉強会に参加してきましたが、その中には「勉強会で終わってしまうもの」と「後につながってくるもの」の両方がありました。その観点で言うと、今回の勉強会はまさに「後につながってくるもの」だと感じました。
また、これまでプロダクトチームと話す際には知識のギャップがあり、話がかみ合わないこともありましたが、勉強会を経て、そのギャップが埋まったと感じました。「なるほどな、そういうことか」と思う機会が増えて、「仕事の進め方が変わったな」と実感する場面もあります。
今回の勉強会は、「グラファーでしか受けられない内容」だったと思います。次回も楽しみです!
左から、BizDev 西村 祐紀さん、ガバメントサクセス 中村 優子さん、ガバメントサクセス 野呂田 朋恵さん
「ITリテラシーが決して高くない自分でも、キャッチアップできる勉強会だった」(ガバメントサクセス 中村 優子さん)
私は「ガバメントサクセス」という、お客様と最前線でコミュニケーションを取る仕事を担当しているのですが、お客様との会話で出てくるセキュリティの話題に対して、実感を持って回答できるようになったと感じています。
例えば、お客様からいただく「大切なデータはどのように保管されているのか?」「データセンターは国内にあるのか?」などの質問に関しても、背景を理解したうえで回答できるようになりました。
私自身、エンジニアリングに関わる仕事をしたことがないため、ITに関わる知識は限定的です。そのため、今回の内容を自分一人で理解するのは難しかったと思います。今回の勉強会では、事前学習・基礎の座学・ハンズオンと、順を追って学ぶことで、短時間でかなりしっかりと理解できたので、エンジニアではない自分にはありがたい環境でした。
「クラウドサーバの立ち上げがすごく簡単で早くてインパクトがあった」(ガバメントサクセス 野呂田 朋恵さん)
ハンズオンの中で実際にサーバを立ち上げたときには、「こんなに早く簡単に立ち上がるのか」と、びっくりしました。前職でシステムに関わる仕事をしていたため、ネットワークの考え方やサーバに関して一定の知識はありましたが、クラウドサーバに触るのは今回がはじめてでした。
今回の勉強会は入門編ということで、AWSに存在する多くのサービスについて、網羅的に理解できたのもよかったと思います。AWSはサーバを提供しているだけではなく、他にもいろいろなことができそうなので、「お客様の業務改善に使えそうか?」という興味につながりました。
デジタル庁が整備し、府省庁や自治体が共同利用する「ガバメントクラウド」の文脈でも、クラウドサーバに関する知識は今後ますます必要となってきます。グラファーのプロダクトとも深く関連する話題のため、今回の内容をベースにしながら、継続的にキャッチアップしていきたいと考えています。
主催してみた感想
今回の勉強会の企画は、グラファーのバリューである「個人の尊重」と「資産と仕組みの最大化」を体現したものです。
バリューの一つである「個人の尊重」を軸に考え、勉強会が「学びたい」という個人の意欲をサポートするものになるようイメージしました。もう一つのバリューである「資産と仕組みの最大化」を軸に考え、勉強会で獲得したスキルや知識が、最終的に会社の資産となり、プロダクトやその先のお客様の体験に還元されるようイメージしました。
今後も、勉強会などでプロダクトチーム以外のメンバーがテクノロジーを学ぶ機会を設けていきたいと考えています。
参考記事:グラファーがAWSの導入事例で紹介されています。『行政手続きの SaaS 活用に向けてセキュアかつスケーラブルな AWS を採用し全国 3,000 万人が利用するサービスへと成長』
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